続・パスワードの危機 − 実害をもたらすウィルスの可能性

ここ1週間ほどの間にものすごい数のウィルスメールが出回っている。 メールチェックするたびにウィルスチェッカーが 「このメールはウィルスに感染していたので削除しました」という メッセージをポンポン出してくる状況に辟易する人は少なくないだろう。

Netsky.Qは、感染したPC内の拡張子「.html」や「.doc」「.txt」など、 34種類の拡張子のファイルの中からメールアドレスを収集し、 独自のSMTPエンジンを用いて自分自身を添付し、感染拡大を図る。
ウイルス「Netsky.Q」の追加情報を公開(InternetWatch 2004/3)

しかし、メールで自身の感染を拡大させる「だけ」の機能を持っているウイルスばかりではない。

Mydoomは2月1日から2月12日にかけて「www.sco.com」に対してDoS攻撃を仕掛けるようプログラムされている。そのためにMydoomは、感染したPCの中にSCOのWebサイトに対してHTTPのGETリクエストを送信する64のスレッドを作り出す。
Mydoomの感染速度は過去最大級(InternetWatch 2004/1)
簡単に言うと、ウイルスに感染したたくさんのパソコンが自動的にに特定のWebサイトにアクセスすることで、そのWebサイトをパンクさせて業務妨害するという機能だ。 同種のウイルスは過去にも何度も出現した。

ここで、想像力を広げてみよう。 もしも、コンピュータウィルスが、パソコンの中の種々のファイルやメールソフト上にあるメールの中から、 メールアドレスを収集するついでに「パスワード」という単語を含むメールやファイルも収集して、 それらを添付ファイルでばらまくような機能を持っていたら?

このようなウイルスを作ることは技術的にはまったく難しくない。 赤の他人のパスワードが自分のもとに続々と届き、 自分のパスワードもどこの誰に知られたのかわからない。 背筋も凍る、そんな状況が待っている。

最近、あるソフトウェア販売サイトで会員登録をしたら、次のようなメールが来た。

件名:○○会員パスワードのお知らせ

このたびは○○サービスのご利用ありがとうございました。

会員登録のご希望をいただきましたので、
「○○会員パスワード」をお送りします。

会員メールアドレス : xxxxx@example.com
会員パスワード     : abcde123
会員用ページ(登録内容の変更など):
http://www.example.com/*****/*****/index.html
もしも上にあげたようなウイルスが実在することになれば、このメールは格好のターゲットだ。 似たようなメールは皆さんのメールソフト上にいまもたくさん保存されているのではないだろうか?

会員番号とパスワードを別々のメールで送る、という方式をとっているところもある (確か紀伊国屋bookwebがそうだったような・・・)。 しかし、パスワードがナマでメール上に書かれていることに変わりは無く、 気休めでしかない。

ちなみに、 パスワードの危機(その5) − アマゾンの場合で紹介したような、 時限式ワンタイムURLをメールで伝える方式であれば、こうした状況であっても 安全性はかなり高いだろう。 そこに書かれているのは「パスワード」という単語だけであって パスワードそのものはそこには無いのだから

Netsky.Qが日本を局地的に狙った可能性を否定できない (InternetWatch 2004/3)
現在のところ、ウイルスを作る悪い輩に日本語を理解する者がどれほどいるかはわからない。 上で筆者が想像したようなウイルスが出現する可能性もまた、否定できない。

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