いまECサイトがなすべきこと(続 リコメンデーションの現実)

前回からの続き)
筆者の経験的に言って断言するが、 「リコメンデーション機能があったらな・・・」といったことを考えるECサイトの9割、 いや95%が、もっとほかに取り組むべき多くの問題を抱えている。

  • 8MのADSL回線で見てもページの表示に5秒以上かかることが多い

    これはリコメンデーションだの商品数だの以前の問題である。

  • 検索機能が無いまたは不足

    日本の主要な検索サイトで検索に用いられるキーワードの第一位が「yahoo」である。 つまりユーザーはずぼらなのだ。 ブラウザのアドレスバーに「www.yahoo.co.jp」と打つことすらめんどくさがるほどに。 だからこそ、ユーザーは無意識に検索フォームを探し、 条件反射的な勢いで自分のほしいものの単語を打ち込む。 望むものが見つからなければその時点でそのサイトからサヨウナラだ。 検索エンジンを買うお金が無いのなら、とりあえずGoogleの力を借りればいい

  • とにかく品揃えが少ない

    1000アイテムも無いのならリコメンデーション機能など全く必要ない。 通常の検索機能と、サイトの階層構造の整理やメニュー表示(パンくずリスト等も含め)の充実で十分だ。 「品揃えが豊富」これは商売において客を集める基本じゃないだろうか?

  • ひとつひとつの商品ページにおいて説明文が30文字もない

    ひどいときは値段と買い物カゴに入れるボタンがあるだけ。 たとえリコメンデーションで誘導されてもそれでは買う気になるはずもない。

  • 商品の写真が無いか、あっても一枚だけ、小さい、ピンボケ等とにかく貧弱

    たとえばおもちゃのECサイトでは、ぬいぐるみなどが単独で写っている画像よりも 2、3歳の子供が実際にそれを抱いている画像のほうが、売れ行きは1.5倍になる。 大きさのイメージがつかみやすくなるからだ。
    商品画像の良し悪しは購買意欲の増減に直結する。 ただデジカメで撮ればいいというわけではない。 工夫すべきことはいろいろある。 (See also: 商品画像すら動的生成しているアマゾン)

  • おそろしく書きづらい注文フォーム

    「郵便番号にハイフンは入れないでください」!? だったら「012-0012」と入力されたものは「0120012」に自動修正して 処理を続けてくれよ!簡単だろ! とプンプンしながら 戻ると、苦労して入力した都道府県やら市町村やら全て消えていて最初からやり直し〜 みたいな。

  • 見づらい

    白地に黄色い文字=薄くて読めない。 赤、青、黄色、緑、やたらカラフルな色使い=目がチカチカするだけ。

  • 不親切なナビゲーション

    トップページ→商品カテゴリ→個別商品詳細、といった階層構造が無い。 階層メニューリンクも無い。 ひどいときはトップページに戻ることすらままならない。 つまりサイト内の構造がむちゃくちゃになっている=ユーザーが迷子になりやすい

  • フレームの弊害

    フレームの使いすぎでスクロールバーだらけで見づらい また商品を一意に示すURLが無い(詳細は→フレームを使うと「ここを見てください」とURLを伝えることが事実上できなくなる − 後悔しないためのWebデザイン

  • 基本デザインの問題

    ツールバーやアドレスバー無意味に消しているフォントサイズを無駄に固定している横幅を固定しているむやみなポップアップ ウィンドウ、 など。

  • 過剰なユーザー認証/管理機能

    とにかく住所氏名を書いてユーザー登録をしてログインしないことには 見ることすらできないページがたくさんある。 当然、GoogleやYahooなどのロボットもクロールできないので 一般検索エンジン経由での集客が望めなくなる。

  • システムやデザイン以前の問題

    「店長からのメールはこちら」(つまりメルマガ)とあるので ためしにと思ってメールアドレスを登録しても、いっこうにメルマガが送られてこない。 つまりメルマガを書く担当者がいないor書く気力が無い。 だったらメルマガの登録ページを削除すべきなのにそうしたコンテンツ管理すらできていない。 嘘みたいな話だが実際少なくないケース。

まずはこれらの基本をひとつひとつ解決していくことが先決であり、 かつ、多くの場合、それで十分なはずだ。

さて、リコメンデーションやらパーソナライゼーションやら、 昔のネットバブルの幻に惑わされるなと前回もさんざん言っておきながらナンなのだが、 新しい技術をやたら否定することもやはり本意ではない。 とりあえず本を一冊紹介したいと思う。

One to Oneマーケティングを超えた戦略的Webパーソナライゼーション
トーマス A.フォーリー , 西村 淳子

この本を書いたフォーリー氏はシルバーエッグテクノロジー社のCEO。 ルールベース型でもない、購買データの類似性抽出型でもない、 人工知能型のリコメンデーションエンジンをASPで提供している謎の会社。 だが、もしもシルバーエッグを使うならある程度の覚悟が必要だ。 たとえば自分のサイトのトップページ上段に置く「あなただけの本日の目玉商品!」の選択を、 人工知能なる謎のブラックボックスに託すことになるのだ。 そのことに違和感も不安も覚えないというのであれば、試してみる価値はあるかもしれない。

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コメント

フォーリーさんとは何度かお話した事があります。 なかなかのナイスガイですね。
西村さんは奥さんですが、焼肉の大同門グループの娘さんです。 そんな関係でシルバーエッグ社は大阪江坂の大同門本社ビルの中にあります。
そういえば、以前にお邪魔したときに焼肉定食をご馳走になりました。(^_^)v

リコメンデーション云々はともかく、
「焼肉」に激しく反応してしまう自分(笑)
ぜひゴチになってみたいものです。
でも大阪かぁ。出張のついででもあればな・・・。

感動しました。鋭い考察です。実は以前某ショッピングモールで勤務してたんですが、無知なストアが多いです。「それだったら出店するなよ、ボケ。」といいたくなるストアが大半。幻想だけ抱いて出店するストアばかりです。


またモールに関するご意見を頂戴できれば幸いです。

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