動的ページと静的ページ(1) 一般論

Webシステム&デザインの世界では「動的ページ、静的ページ」といった言葉がよく使われる。 近年流行っているSEO=Search Engine Optimization=検索エンジン最適化=において 動的、静的の違いによる影響が大きいことから、 最近ではエンジニアではない人の会話でもこの言葉が使われるようになってきた。

サーバーサイドWebプログラミングの心得があるたいていのプログラマーやSEなら 動的ページと静的ページの違いくらい十分理解している。 しかしそれ以外の人=Webデザイナーや外注頼りのWebマスター=は、 理解しきれていない人のほうが断然多い。 「Googlebotは動的ページをクロールできない」といったような誤解も見られる。 単なるJavaScriptによる見かけ上の動的ページと静的ページの区別がついていないことさえある。

結果、Webサイト構築のプロジェクトにおいて静的ページと動的ページの議論になると 話が微妙に噛み合わなかったりする。 そこで、動的ページと静的ページとはそれぞれ何ぞや? それがSEOにどう結びつくのか? といった話を今後数回にわたって適当に書いていくことにする。

手始めにまず、この「ネタ帳」サイトのようにGoogleのアドセンス広告を表示している Blogサイトのwebページは動的、静的、どちらなのだろう? アクセス毎に広告が変わるということは動的ページであると考えられなくも無いが正解は静的ページである。 動的に広告を見せているのはそのJavaScriptを通して実行される Google側のシステムだからだ。広告を載せる側のページでは 固定のJavaScriptコードが書き込まれているだけだ。

なお、この「ネタ帳」サイトは他の多くのblogサイトと同様、 MovableTypeというソフトで作られている。ちなみにniftyのココログをはじめとする商用blogサービスのいくつかもMovableTypeのカスタマイズ版であることが多い。 このソフトではperl言語によるCGIスクリプトが生成した動的ページがblogの管理画面として使用される。 しかし実際の記事自体は普通のHTML形式の単なるファイル(つまり静的ページ)の形に自動生成され、 Webサーバのファイルシステム上にたとえば /usr/local/apache/htdocs/mt/000001.html の ような感じで保存してくれる。トップページであるindex.htmlなども同様だ。 blogを訪れてくれるユーザーはこの静的ファイルにWebサーバを通してアクセスし、記事を読む。

ではヤフーはどうだろう?ヤフーのトップページは、 http://www.yahoo.co.jp/index.html である。 index.php でも index.jsp でも default.asp でもない。ではヤフーのトップページは静的なページなのだろうか?

もちろん答えはNO。中央の特集(?)記事部分のHTMLはアクセス毎にアトランダムに変わっている。これはGoogleアドセンスのような固定されたJavascriptコードによる外部サイトのコンテンツの表示ではなく、includeするコンテンツをアトランダムに変えるという、 純粋なサーバーサイドWebプログラミングの手法である。 右上の個人ツール部分も「こんにちは、○○さん」のようにユーザーごとに違う(Yahoo!IDを持ってログインしていれば)。 こうしたことは動的ページでしかできない技だ。 つまり、それが動的か静的ページかどうかを判別する手段としてはファイルの拡張子などは参考程度にしかならないと考えたほうがいい。 yahooのトップページのindex.htmlは実在のファイルではなくて他の実行スクリプトへのエイリアスでしかない可能性すら高い。

amazon.co.jpのトップページに至ってはファイルの拡張子すらほとんど表に表示されない、というか WebサーバにHTMLファイルを置いてどうのこうのという一般的な概念すら用いていないシステム構成なのだろう。 http://amazon.co.jp/index.htmlなんて勿論存在しない。アマゾンのほとんど全てのページが動的ページである。(追記:perl言語で構築された動的ページである) しかしGoogleにはwww.amazon.co.jp配下のページが140万ほどインデクスされている。 おいおい、誰だ動的ページは検索エンジンにクロールされにくいとか言ってるのは?!

ということで次回は検索エンジンと動的ページの関係について・・・。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.ywcafe.net/mt/mt-tb.cgi/424

トラックバック

» >続きが気になる記事 from あー
システム開発側(自分)にとっては、クロールして欲しいページは静的ページとして吐き出すという仕様はちょっとめんどくさいところです。上の記事は気になってはいたもののよく調べないでいたことについて説いてゆくようなのでURLを覚書きです。 続きを読む

» 動的な関係を確立します? from ありえる
さらにカテゴリー化です。 カテゴリー化自体は大部わかってきました。 概ね、いくつ... 続きを読む

» ブログは検索エンジンに引っかかりやすい? from images
一般的に『ブログは検索エンジンに引っかかりやすい』と言われています。 これってホントなんでしょうか? 基本的には正しいと思うのですが、このブログにはgo... 続きを読む

» FancyURLを適用 from Radio708
3月末ぐらいから急に思い立ってXoopsやNucluesなどのCMSを使うようになったんだけど、いまいち動的なURLがしっくりこない。 というか検索エンジ... 続きを読む

» 静的ページと動的ページ、どっちが良い?(その1) from 思考の足跡
最近プロジェクトで、やたら「動的、動的※~」と言ってくるおじさんがいたので、 動的、静的の定義や効果(費用対効果含め)をあらためて考えてみました。 (※彼... 続きを読む

コメント

非常に興味深い記事でした。
勉強になります。
次回も期待しております。

いつも勉強させて頂いております。(今日はちょと知ってたので^^;)
>niftyのココログをはじめとする商用blogサービスのいくつかもMovableTypeのカスタマイズ版

というよりか,兄弟製品のTypePadです。

という事で失礼します。

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)


画像の中に見える文字を入力してください。