「子供はみなブログを持て!」政府報告の結局のところ
ここ最近のちょっとした話題の発端は6月半ばのこの記事だ。
子どもはみなブログを持て!(読売新聞 2005/6)この記事をひとめ見て「アホか」と思ったのは筆者だけではない。
総務省は14日、小中高校生のだれもがブログ(日記風の簡易ホームページ) を書くような環境をづくりをめざす方針を決めた。 同省が設置した「情報フロンティア研究会」(座長=國領二郎・慶応大学教授)が、 日本の「IT(情報技術)力」を強化する方法として、 「あらゆる児童・生徒がブログを持つべき」と報告書で提言したのを受けたものだ。
研究会は、ブログや知人同士が意見交換する「ソーシャルネットワーキング (SNS)」の普及で、個人レベルの情報発信が急増し、 「企業対個人」「発信者対受信者」といった社会構造まで変えつつある、と分析。 その一方で、インターネット関連の知識格差が生じている、と指摘した。
報告書はこうした現状を打開し、IT社会で日本が優位に立つには、 義務教育段階からネットワークで個人が発言する作法を身につけさせることが 必要だと主張。あらゆる子どもが自分のブログを持つのが効果的だ、と力説した。
子ども1人1人がブログを持つには、校内コンピューター網(LAN)を整備したり、ブログのサービスを購入する費用が必要になるが、 総務省は「すでに存在する自治体への情報化支援策などを活用することも可能。 必要なら特別の予算を組むことも検討したい」とやる気満々だ。
子供にブログぅ?!…ブロガーたちが大ブーイング (読売新聞 2005/6)筆者も「そんなんアホらしい」という話を自分のブログに書こうとしたのだが、 はたと気づいて様子を見ることにした。 何しろIT業界について新聞記者が書く記事はトンチンカンが多いからだ。 実際、総務省のWebサイトで 情報フロンティア研究会のページをざっと 見てみたのだが(注:見たときはまだ最終報告書は出ていなかった)、 読売の記者が書いた記事につながるようなセンセーショナルに受け取れる内容は どこにもなかった。ますますあやしい。 これは近いうちに出るという最終報告を待ったほうがよさそうだ。
... ところが、反応の大半は「国がやることじゃない」「ブログ嫌いが増える」など、総務省の政策に批判的なもの。
そこで、同省担当者に感想を求めると、「市民レベルで広がるブログに国が関与しようとすることに対し、反発があるのは当然だろう」と冷静な意見が聞かれた。ただし、「政策に対する反応がリアルに見られるのは貴重だが、これほど反発の割合が多いと傷つく」と、ショックも受けている。
で、最終的な報告書が28日に出た。
・・・私たちは、今後の教育現場における取組に期待したい。学校とは人と人の間のコミュニケーション手法を学び、他人と交流する能力を養う場でもある。ICTを活用したコミュニケーション能力は学校で学ぶことが望ましい。いわゆる情報検索・探索技術やネットを介した互学互習のやり方の習得といったことに加え、ICTにより実現されるバーチャルな環境を、現実社会と同じ感覚で活用すること、すなわち、サイバースペース上で実名又は特定の仮名で他人と安全に交流することを自然の術として身につけるための教育が必要である。具体的には、ブログやSNSの仕組みを学校に導入することを提案する。学校の中でセキュアなネットワークを整備した上で、児童・生徒が自らのアカウントを持ち、実名でブログやSNSを用いて他の児童・生徒と交流することでネットワークへの親近感を養うとともに、ネット上での誹謗中傷やプライバシー侵害等に対する実地的な安全の守り方も同時並行的に学ぶことが重要である。なんだ、よく読めば至極まっとうなことが書いてあるじゃないですか。 賛成。 ただ単にワードとエクセルをブログに置き換えるだけのようなことしか考えてないのなら、Web上のBBSの書き込みをめぐって喧嘩になった友達をカッターナイフで刺し殺してしまった長崎の小学生を量産することにつながりかねないと思っていたのだが、 そのへんはちゃんと考慮されている。
ただし、実際のところ、現場ではアサガオの観察日記が紙のノートではなくブログに変わるだけの結果に終わるような気がしてならない筆者は悲観的すぎるだろうか。
See also: 教室内デジタルデバイド、東大とiMac、つまり?

コメント
こんにちは。いつも面白く読んでいます。
僕もこの考察には賛成です。
これは実際の教育現場を見て僕もそう感じていました。
現状では観察日記というか、調べて発表することの段階なのでしょう。
これを一般ネット上での公開に持っていくのは
(そして面白いと感じるのは)
もう少し時間が必要かもしれません。
それでもすでに子供が
参加している姿を見かけますから、
面白いことになるのではないでしょうか。
Posted by relaxador at 2005年7月 2日
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