天気予報のXMLはFTPでGETできる。ただし月額10万円超

この「ネタ帳」の中でも閲覧数、トラックバック数、コメントの数(というか濃さ(笑))で五指にはいるのが天気予報とXMLに関する以下の記事。

このうち、最後の記事については筆者の誤解があったようなので ここに改めて記事にしてみることにした。 (誤解の中身については、その発端となった気象庁のプレスリリースにまず目を通していただき、そのあと該当記事とそのコメント欄をごらんいただきたい)

いきなり話が飛んでしまうが、こんな法律がある。

高度情報通信ネットワーク社会形成基本法
第二十一条(公共分野における情報通信技術の活用)
 高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する施策の策定に当たっては、国民の利便性の向上を図るため、情報通信技術の活用による公共分野におけるサービスの多様化及び質の向上のために必要な措置が講じられなければならない。
そのとおりだ。公共分野におけるサービスの多様化と質の向上を情報通信技術で実現する方法を考えてゆこう。賛成。 しかし、
Q.「気象庁予報部発表の天気予報」という公共サービスの多様化と質の向上にはどんな方法が良いのだろう?
A.「それは天気予報という情報をXML形式で誰でもアクセス可能な形で無償公開してしまうことだ、anonymous ftpでもhttpでも、安価で使いやすい方法はいくらでもある。」
ということに考えを至らせることができる人はあまりにも少ない。 「XMLってうまいんか?」な人のほうが世の中の圧倒的多数をしめている。 (そしてその無知が悪いというのもちょっと乱暴すぎるし)

話を戻そう。気を取り直して、とにかく現状を確認してみることにする。

財団法人 気象業務支援センター とかいう謎の団体のWebサイトをウロウロすると、 電文形式配信一覧表なるPDFファイルがあっさり見つかるだろう。 その一部にはつぎのようにある(tableタグに直しつつ引用)

対象分野情報分類資料名ヘッダ英字ヘッダデータ形式要素
気象予報府県天気予報VPFD40XML予報区名、発表日時、細分区域名、予報文(予報期間、風、天気)、波浪予報(予報期間、波高)、量的予報(最高気温、最低気温)等、降水確率、その他
あ、あるやんけ・・・と思いつつ念のため通信手段を見る。
通信形態および準備端末
要するに単なるインターネット経由のFTPでGET可能。

気になるお値段はこちら。

配信に関する負担金
要するに6領域(=全国)の天気予報のXMLデータをFTPでGETする権利は 月額10万円を超える (バカバカしくて正確に計算する気にもなれない)

定額制、常時接続、高速回線が家庭にすらあたりまえにあるご時世に、 iTune Music Storeで1曲150円でダウンロードできるご時世に、 NTPサーバーによるパソコンの時刻あわせは無料でどんどん使ってねとアピールされているご時世に、 新聞記事の見出しとURL情報も広くばら撒かれようとしているご時世に、小泉内閣メールマガジンとかいう話題もそんなのもあったね程度のことになりつつあるご時世に、時期MS-OfficeではワードもエクセルもXMLが通常の保存形式になる(正確に言うとXMLをzip圧縮したもの)というご時世に、 税金を使った高価な気象衛星やらアメダス観測網やらの結果に基づく天気予報の、言ってしまえばHTMLをちょっとひねったようなだけの単純テキストできっと全国ぶんあわせても1メガバイトにも満たないであろうXMLデータは、月額10万円超。

ああ、亡国のe-Japan 。

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コメント

「Javaジャバ言ってる間に」に続く新たなシリーズ化のヨカーン。「亡国のe-japan」

 中の人から見ても、事業の拡大に伴って謎の団体と化しつつある(財)気象業務支援センターですが、本来は、

・独自予報を核とした民間気象事業の振興のためには気象庁のデータ(素材たる観測値〜半完成品たる数値予報出力、警報事項)を提供すべき。
・データの提供には、事業者に使いやすくするための加工や各事業者向けの配信設定の作業が必要。
・しかし、これらの作業をするための人的・物的資源を気象庁内に整備するのは、行政改革に逆行する。
・しかも、個別事業者の営利目的のためであるから、公平・一律であるべき行政サービスの範疇に収まらない。

として「業界向け配信事業」を行なう法人を指定したものです。要するにセンター経由での配信は「業務用」という位置付けですから、グローバルIPを取れだの月額10万円+だのということになります。

 さて、XML府県予報電文VPFD40/VPFW40は「気象庁謹製『完成品』の詰合せ」ですし、気象庁内部で流通し・防災機関にも提供している電文を右から左に流しているだけのようなものです。しかも「内容がテレビの天気予報に毛が生えた程度なんですけど」「XMLって業務用というほどご大層なフォーマットなの?」というツッコミまで可能となると…以下ご容赦あれ(笑

 そもそも上のセンター設置の理屈自体が、12年前の、今では気象庁内部の通信においてすら放棄されようとしている通信技術・データ形式を前提にしてるんですが。

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