「宅配ピザをネットで注文」の違和感

宅配ピザのドミノピザが、ネット注文に力をいれているんだそうだ。

アフィリエイト導入でWebオーダーの受注促進と売り上げ強化を狙う (日経BP ネットビジネスTODAY 2005/9)
自社Webサイト上の注文フォーム経由での売り上げの増加を狙って、アフィリエイトやキーワード広告を積極展開しているらしい。現在のところ売り上げの6%がWeb経由、残りが従来の電話注文。 これを売り上げの10%まで持っていくことが当面の目標らしい。

正直言って、クエスチョンマークだ。

上で紹介した記事によると、「(自社サイトのWeb注文は)チェーン全体で月間平均約3万件の利用がある」ということは、一日約1000件。ドミノピザの店舗数は169店舗(2005年9月現在)だから、一店舗あたりのネット経由での注文数は一日約6件。これを1日10件まで増やしたところで、残りは全て従来どおり電話注文。だからなんなのだ? こうしてマスコミに取り上げてもらう宣伝効果以外のメリットがよくわからない。

「Webはメディアだ」というのは正しいが、少なくともいまの技術インフラでは 「しかし告知にはまるで向かない」という性質を見落としがちだ。 ビジネスというジャンルにおいて、現在のWebは問題解決ツール以外の何者でもなく、これは向こう4,5年は変わらないだろう。

ピザのネット注文はそれを使うユーザーのどんな問題を解決しているのだろう?

ひとつは、最新のメニューを書いたきれいなチラシが手元に無いという状況の解決。 しかし、ひとたび配達に来ればそのときついでに最新のチラシを置いていってくれるので、以降しばらくの間はその問題は解決済みとなり、Webで注文する理由を失う。

ひとつは、仕事仲間同士で注文して職場に宅配してもらうとき、電話で注文する声を周りの人間に聞かれないで済むというメリット。 しかしちょっと一服するついでに職場の外から携帯で電話すれば済む話でもある。

ひとつは、オトクなクーポンをGET!というやつ。 ただしこれはよく考えると目的やそのメリットは「お得」であって「注文すること」ではない。ここを見落とすと単なる値引き販売による体力消耗にしかならない。

ひとつは、Webだと一度ユーザー登録すれば住所を覚えててくれるので・・・ というWebでよく聞くメリット。しかしそれは電話注文も同じだ。 ピザ店のお姉さんに電話番号を伝えるだけで「はい、○○町○番の○○さんですね」 と言われたことは誰にでもあるだろう。過去に一度でも注文したことがあれば それが店舗のデータベースに残っているわけだ。

リンクシェアのシステムを使ったアフィリエイト広告も打っているようだが、 その料率、なんと5%。数%の割引クーポンをWeb注文でも使えるようなので、 アフィリエイト経由での売り上げは実質10%近くを失うことになる。 どう考えても企業として必要とする利益は出ないはずだ。 もし筆者だったら、自分のブログサイトにでもアフィリエイトリンクを貼って、 自分(or同居人の名前or職場の隣人の名前)で注文するだろう(笑) もちろんそれは広告効果とは言えない。

このように、ピザの宅配のネット注文にはコレといったものを感じない(マスコミに取り上げてもらう宣伝効果を除く)。 ネット注文を全体の10%に引き上げたところで、メニューを書いたチラシをポストに入れまくるためのコストがそれだけ減るかというとそうでもない気がする。

とりあえず最後にビジネス向けWebサイトを作る&見る上で当たり前のこととして考えるべき観点をあげておく。

  • そのWebサイトは、ユーザーのどんな問題を解決しているだろう?
  • それは本当にユーザーの望んでいる問題解決だろうか?
  • そもそもそのユーザーとはお店に来る客?それとも従業員や取引先?

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.ywcafe.net/mt/mt-tb.cgi/495

コメント

個人情報保護の目的で、現在はお姉さんに電話番号伝えるだけでは駄目なようです。電話番号を言った後に、自分の住所・名前をこちらから告げる必要があるようですよ。
もし、電話番号だけで受け付けてくれたら、便利でありがたいけど、個人情報を軽視している店舗ということになっちゃう。(笑)

わが家はピザ屋のチラシ全部捨ててしまいますので、頼むときは「Webで検索→最新のメニューをみて→近所の店舗を探し、電話で頼む」という面倒なことしています。GPSかなんかでラクに近所の店舗を検索できるか、オーダーするだけで近所のビザ屋から配達されるようにしてもらえると助かります。とはいっても、認知&思い出し効果はまだチラシ・ポスティング媒体がいいのでしょうね。

電話も怖い、新聞も取りたくない、そんな対人恐怖症ひきこもりにとっては、人と接する機会が商品の受け渡し時のみで済むネット注文は大変有り難いものではないでしょうか。

と、電話口でどもりまくるアガリ性の自分は思っていたり。

私も、ピザがウェブで注文できるのはうれしい派です。

単に電話するの嫌なのと、注文が間違ってないか自分で確認できるから。 カリフォルニアは特に、いろんな出身の人がいて、いろんなアクセントの英語を喋って、意外と聞き取りにくかったり、こっちの注文を聞き間違えたりするんですよね。
あと、従業員の少ない時間帯だと忙しいと電話にでるのがおそかったりするのも嫌。
とりあえず、無駄な時間を費やすのが嫌なのです。

ステータスを表示してくれるサイトもあって、意外と便利だったりします。

日本とは状況が違うかも知れませんが。

いろいろな選択肢があるのは良いと思いますけどね単純に。
まだ、宅配のWeb注文が周知となっていないと思うので、旧来の紙の上でネット注文に対応してます的なことなどを書いて地道に宣伝していくと。

企業としてもちょっとしたコストで、ネット注文に対応しておくというのは、特に悪い話でもない気もしますよ。ピザなんてよく食べる若い層は、テレビよりネットをやっている人の方がこれからさき多いかもしれないし、それらについて今はたいした意味もないかもしれないけど下地を今から作っておくというのも良いかと。

それに私のことですが、電話って結構面倒くさいですしね。訳の分からない商品名を発言しなければならないのも嫌な感じですよ。まあ、リアル店舗の飲食店で、たいがい指を使ってこれくれって指定している人間なので。

いつも面白い話をありがとうございます。

システム開発をやってると、
良く出てくる本末転倒な話の1つですね。

社内の力争い、物事を判っていないマネージメントなどの
影響かも知れませんが、ご想像のように、
宣伝効果が狙いなんでしょうね。

でも、面白いもので、何でと思うような方法でも、
結構客が付いたりします。

皆さんのコメントも面白いですね。

電話をしないですむ事自体がメリットなのではないのでしょうか?
ピザの注文等、やり取りが発生する必要のない(こちらから一方的に伝えるだけですむ)内容の場合、
電話よりはるかに楽だと思います。(個人個人差はあると思いますが)
電話だと
・注文が正しく伝わっているか
・住所が正しく伝わっているか
等 相手に確認しないと不安ですが、
Web上だと目視だけですみますので。

「なぜAmazonで本を買うのか?」というのと近い答えな気がします

僕もWeb注文を気に入っている派です。

ピザ屋のメニューって、けっこう頻繁に変更されるんですよね。短期間のキャンペーン(今なら○○セットに××が付いてお得、のような)も多いですし。Webならその時点での最新のメニューが分かって便利です。

これをチラシで代替できるかというと、ちょっと疑問です。確かに注文を受け取る際に最新のものをくれるし、折り込み広告もよく挟まれてきます。しかし逆に、それが「1つのお店のチラシがいくつもある」という状態を生み出してしまい、「いったいどれが最新のメニューなんだ?」と困ることがあります。メニューやキャンペーンが頻繁に変更されるピザ屋のようなビジネスでは、Webは販売チャネルとして有効なのではないでしょうか。

また店舗サイドにしてみれば、Webは電話オペレーターの数が減らせる・オペレーターの教育費(○○キャンペーンは今日で終わり、明日から××キャンペーンが始まることを周知徹底させる、など)を減らせる・人的ミス(お客様の勘違い/オペレーターの入力ミスなど)を減らせる、などのメリットがあるのでは?

Web派のコメントが多くなるのはNetだから仕方がないですが
私もWeb注文派だったりします(笑
会社から帰る前にWebでアクセスして帰宅時間を指定して
注文し、帰ってから受け取って食べるからです。
電話しない理由は席を離れられない事と、
私用の電話ができないから。(外線だけでなく携帯もNG)
と、言うわけでまあ使い方色々ですよ。
カタログなんて外出先に持ち歩かないからメニューも
直ぐ確認できるし、それにWeb上にはクーポンもあるから。

以前、視覚障害者の方に、webの使い方についてお話を聞いた時に、
「ポストに入るチラシでは僕たちはメニューが分からないので、
web注文は助かっているんですよ」とおっしゃっていました。
全国で30万人以上いる視覚障害者の方、
加えて聴覚障害者の34万人くらいの方にとっては、有効な手段なのです。
webアクセシビリティという観点の話が薄いと思いましたので、コメントを残します。

短期的な観点では、Webからの受注は企業にとってのメリットはないでしょう。
ただし今後Webからの注文が一般に認知されてくるようになると、
早い段階からそのシステムを持っていることは有利に働くはずです。
今からWebオーダーシステムを持っておくと、「Webからピザの注文ができる店」という
デファクトの地位を得ることができますし、競合が出てきても
今から集めているデータを元に使い勝手の向上策をとることができます。

と、ポジティブな点から見てみましたが、やはり

「Webからの注文が今後一般に認知されていく」

ことが必須条件ではありますね。

いつも楽しく拝見させてもらってます。

ちょっと私見を…。
アフィリエイトを入れることで風評が良くなるというメリットがあると思います。日本中のブロガーを味方に付ける、といいましょうか。
例えばDELLが良い例で、自分のパソコンを買おうと情報を集めてる時に、DELLを使っている知人・友人の話とネット上の口コミとではかなり温度差があったんですね。つまりネット上ではアフィリエイト報酬を上げるためにみんなあることないこと書いてDELLを褒めちぎるわけです。実際の品質以上の情報が氾濫しているなぁと感じました。結局買ったんですけどw

確かにアフィリエイト料率5%は高いと思います(私は提携してるのでうれしい限りですがw)が、クーポンはwebでもチラシでもどうせ使うので抜きに考えるとして、単価を5%下げてでもそれ以上の固定客を生む要素はあるのではないかと思いました。

今のところ私は他の店では買えません。
※linkshareは自分のサイト経由でも報酬対象となります。

ただ単純に電話が使えない状況だったら、
WEBはありがたいですね。

1度頼んだ注文も履歴に残せば使えるし。

あと口頭での注文はメモを取るにせよあいまいですね。
WEBなら文字でも残る。

仮にすべての注文がWEBになるのであれば、一番費用のかかる
人員の削減ができるし。

エンドユーザが操作に慣れれば、配達時間も短縮
されるだろうし。

メリットは多いですね。

しかしながら、注文するのに
毎月ネット料金分支払う必要があります(笑

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)


画像の中に見える文字を入力してください。