金を取るために金がかかる - 収益とその回収コストのジレンマ

自宅で使っているPCのウィルスチェッカーが「そろそろ契約更新ですよ」というメッセージを出してきた。もう1年たったか。この業界で仕事をしている以上、ウィルス対策ソフトの年間数千円程度のライセンス料をケチるつもりはまったく無いのだが、こんなニュースが飛び込んできてちょっと考えてしまった。

ソースネクストは5月29日、年間更新料を無料にするセキュリティ対策ソフト「ウイルスセキュリティZERO」を発表した。3,970円でソフトを購入すれば、Windows Vistaの公式サポート終了時まではPCやOSを買い換えても利用できるというものだ。
 セキュリティ対策ソフトの場合、ユーザーは毎年数千円の更新料を支払うことで、定義ファイルのアップデートなどのサービスを継続して受けられるというのが常識だった。こうした「常識をくつがえす」と語る松田憲幸社長に、ソースネクストが打ち出す「年間更新料0円」のセキュリティソフト戦略を伺った。
年間更新料ゼロのセキュリティ対策ソフトの勝算(Internet Watch 2006/6)
「ウイルスセキュリティ」の場合は、ライセンスの登録や更新時の問い合わせがユーザーサポートの半分を占めています。ライセンス更新は1年に1回なので、登録した情報がわからなくなったというような問い合わせも多くあります。理論上の単純計算では、ライセンス更新が不要になれば、こうしたライセンス更新に関わる問い合わせはなくなり、ユーザーサポートのコストが半減することになるのです。
なるほど。

思えば、「金を取るために金がかかるジレンマ」という図式はどこにでもある。 NHKの受信料は受信料を集金する人を雇うコストに半分近くが消えるという。 首都高速の700円では料金所のおじさんを雇うコストでどれくらい消えるのだろう。料金所それ自体の建設維持コスト、料金所の部分だけ車線数を増やすための土地買収費用、時速150kmで通過しても読み取れるという明らかに考えたやつがバカなオーバースペックなETCの機材費用。。。 Yahooオークションの本人確認費=現在はYahooプレミアム会員費と呼ばれている=は、導入当初はユーザーは「儲け主義」だのなんだのでブーイングを浴びせたが、Yahoo側としては月額270円ごときでは決済事務コストでほとんどが消えるわけで、ちっとも儲からなかったはずだ。(現在は別途システム利用料を取っているので利益となっているはずだが)

単価が高い商品の場合には、その決済コストは相対的に低い。 問題は小額決済したい場合であり、そこがビジネスチャンスだからこそ携帯電話会社やカード会社などは大掛かりな仕掛けでやろうとしている。おサイフケータイとかエディとかそういうやつだ。 大掛かりでない仕掛けではたとえばはてなポイントで投げ銭なんてのもそのひとつだ。 ただ、ソースネクストのように「金取らなくていいや」という究極の戦法もありうる。考え方一つだ。

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