全文検索、Ludia、PostgreSQL、senna、某巨大掲示板
NTTデータが全文検索エンジン「Ludia」をオープンソースとして無償公開(ITpro 2006/10)の件で。 とりあえず
- 技術的な話
- 周辺情報的(?)な話
技術的な話
- 一般論として、通常のRDBMS=リレーショナル型データベース内のデータの高速な全文検索というものは需要が大きいわりに意外に難しくて、いろんな解決策が期待されまた模索されていると。
- 上のITPro記事を見て「えっ?PotgreSQLの追加機能としての全文検索エンジンを独自開発したの??」と思ってそのLudiaなるソフトのソースをダウンロードしてよく見たら、sennaという既存の全文検索エンジンが同梱されてましたと。
- なあんだ、だったら「sennaのPostgreSQLバインディングです」とわかりやすくそう書いてくれよITProの記者さん、と。
- 「なあんだ」って言うのも失礼というもので、senna自身はデータのインデックス作成とそのサーチ機能にのみ特化してつくられていて、データ自体を保存するストレージエンジン(ex. RDBMSとかファイルサーバとか)やそれとの連携機能についてはそれぞれお好みのものを使ってね、というスタンスであり、今回はNTTデータの中の人がその設計思想と世の期待に答えてPostgreSQLというRDBMSとの連携部分を作ってくれたのだと。
- こういう設計思想や発展の仕方というものは珍しいものではなく特にオープンソースソフトウェアの世界ではよくあることで、むしろ理想的とも言える展開であると。
次、
周辺情報的(?)な話
- ところで、「Senna 組み込み型全文検索エンジン」のページをよく見ると、下のほうに「連絡先」として「有限会社未来検索ブラジル」とあると。
- その会社についてググると、代表取締役として深水英一郎 氏、取締役として西村 博之 氏のお名前が出てくると。
- 深水氏はメールマガジンサービス「まぐまぐ」の初期メンバーとして有名な方。西村氏はいわずと知れた某巨大掲示板を個人で運営している人として有名な方であると。
- 西村氏についてはたとえばGoogleで検索とかはてなブックマークのキーワードマッチとかやってみると、どうしてもネガティブな情報が見えてしまうと。(注:2006/10現在)
- だからといって別にsennaというソフトウェア自体にまったく罪も問題もないし、GPL(正確にはLGPL)というオープンソースソフトで非常によく使われるライセンス形態をとっており、西村氏やあるいはその企業に直接的に利するものではないし、そもそもsennaはあくまで未来検索ブラジルのスタッフが開発したものであって西村氏個人のものではないと。
- でもそれにしても、1件や2件ではすまない数の賠償金支払いの裁判所命令(確定判決)にも一切従わず、最近ではその裁判所に本人も代理人(弁護士)も出廷すらしないという行動は、事情はどうあれ社会人としていかがなものか?という視線はまぬがれようもなく、そういう人物が取締役を勤める会社が作ったモノであるということを知った世の大人たちの見る目というものは必ずしも一定ではないだろうと。
- そういえば、Winnyを作った金子氏(別名47氏)が著作権違反のほう助の罪で刑事訴追された件の第一審判決は12月の予定。あれもあれでソフトに罪はない。金子氏の弁護士さんがアメリカのニューズウィーク誌に取材され、『「日本は、ファイル共有ソフトの問題に警察が出てくる。私は、異常だと思うのだが。あなたはどう思うか?」と担当直入に尋ねられたのは、「そのとおりと思う」と答えて苦笑せざるを得なかった。』というエピソードを披露している。うん。あの件もあの件でなんか異常。
まあとにかく、良い技術が、それとは直接関係のないしがらみやらなにやらで埋没することのないよう、技術者としての筆者は祈るばかりである。
