mixiのデザインのリニューアルに対するallaboutの「専門家」陣のツッコミがなんだかなあな件
今月はじめにmixiのデザインがリニューアルされた。 デザインの中身そのものについての話もそうだが、 allaboutというサイトでの専門家の方々のツッコミもまた別な意味で話題を呼んでいるらしい。
とりあえず先に、mixiデザインリニューアルそのものに関する筆者の個人的なコメント。
ぱっと見で
- 表面だけのぱっと見レベルでは大して変わってないじゃんというのが個人的感想。
- もともと淡い色使いだったのが今回さらに淡さを増したような気がしてメリハリがなくて見づらいという話はわかる気がする。特に色弱の人にはちょっとつらいのかも。
- いずれにせよなんか見づらくなった!?とかいう話は1週間もすればみな慣れてしまうレベルの問題でしかないだろう。
ページの横幅の拡張について
- よくよく調べてみると、2006年2月のリニューアルでの横幅拡張の件のときに既に900px前後になっていたのが、今回で950pxになっただけである。
- つまり今回特別に大きく横幅に変化があったわけではない。しかしそもそも論として、1024ドットのディスプレイでブラウザウィンドウ最大化が前提というのが反発を招きやすいのは今も昔も変わらない。
- 未だに800x600の古いノートPCを後生大事に使っている人もいるし、1024x768以上のディスプレイであっても視力の悪い人はあえて800x600に設定して使っていることがある。 そもそも筆者は「ユーザーのパソコンの画面はユーザーのかなりプライベートな空間である」と考えている。そこに土足で踏み込むようなブラウザサイズ調整の強要はやめたほうがいい。
CSSデザイン化とJavaScript積極活用
- 今回のリニューアルの目玉はこれである。ぱっと見た目がそこまで大きく変わったわけではないのにシェアが小さくかつ古いOS(MacOS9等)やその搭載ブラウザでデザイン崩れや動作不良が発生したのはこれが原因。古いブラウザでCSS仕様の実装が不完全なのはよく知られた事実であるし、JavaScript実行エンジンの実装の違いやそのバグの種類についてもしかりである。
- CSSを用いつつタグにid属性やclass属性をきっちり指定しておくのもJavaScriptとの連携の上で重要であることから、今回のリニューアルは今後の機能追加のための布石というか基礎工事のやりなおしとも言える。
- これまでもmixi画面上でJavaScriptはかなり使っていたようだが、今回見たところ、prototype.jsが導入されたようだ。これはおそらく今回が最初だと思われる。
- 汎用ライブラリとしてはかなりの老舗でありいろんなサイトで導入実績のあるprototype.jsといえど、完全なクロスブラウザ(ブラウザが違っても同じ動作をさせるテクニックの総称)は難しい。いや別にクロスブラウザを簡単に実現する目的だけのライブラリではないけれど。しかしながら、こうした汎用ライブラリを使わなければ今後の開発効率の向上が望めないのも確かである。 prototype.jsのどの機能がいまのmixiの画面のどこでどんな風に使われているかまでは追ってないのでこれ以上はなんともだが。
- いずれにせよある一定水準を下回った少数派を切り捨てるのはビジネスの世界ではよくあることである。「MacOS9でmixiがおかしくなった!」といっている人は一体なんのブラウザを使っているのだろう?まさかとは思うが標準添付されていたIE5.xのままなのだろうか? もしもそうだとすれば、それもサポートしろというのは言うほうがワガママすぎるといわざるを得ない。 Mac用のIEは2003年6月に開発停止、2005年12月にサポートも完全停止している。 文句はアップルとマイクロソフトに言いましょう。
- ちなみに、素人さんでも「スゴイことやってるんだろうな」とわかってもらえるであろう今風のWeb技術の代表格であるGoogleマップだが、そのサポート対象ブラウザはIEだと6.0以上である。したがってMacOS9でIE5.Xを使っていた人はGoogleマップを使うにはFirefoxとか他のブラウザを使う必要があるのだが、このページに書いてあるようにFirefox0.8以上とかNetscape7.1以上とかをダウンロードして入れようにも、これらのブラウザもまた今現在ではMac OS X以降で動くバージョンしか開発/公開していない。つまり、MacOS9でGoogleマップをまともに使う手段はもはや存在しない。これホント。
- つまり、重ねて言うが、モダンなブラウザ向けの方法論と技術を用いて作られたmixiのいまの画面に関する文句を言うべき相手はmixiではなくて実はアップルまたはマイクロソフトあるいはMozillaプロジェクトの中の人ではないかというのはあながち言い過ぎではない。
Windows Vistaで動かない?という件
J-CASTニュース : ミクシィデザイン変更で大混乱 ビスタもマックも使えない!(J-CASTニュース2007/10)という記事も出ているのだが、MacはともかくVistaが使えないとしたらもっともっと大騒ぎになっているはずだろガセでしょコレ。
と思っていたら案の定、記事の中では
作家の高橋暁子さんの知人にも、今回のリニューアルで不具合が起きている人が結構いるのだという。最新のOS「WindowsVista」が推奨環境に含まれておらず、また「MacOS9」など古いOSを使っている人の中にもお金を払って「mixi」を使うプレミアム会員がいることから、初めからこうしたOSでも使えるようにすべきだった、とJ-CASTニュースの取材に答えた。「使えない」「動かない」ではなく「推奨環境に含まれていない」である。 Vistaについて触れている部分はたったこれだけ。これをもって「マックもビスタも使えない!」という記事タイトルにするのは明らかに取材不足であり釣りである。
以下、[mixi] ヘルプ - 推奨環境についてより。なるほど確かにVistaが含まれてない。 では、archive.org上に残っている同じページの2007年7月のコピーを見てみよう。変わってない。つまりヘルプ画面をメンテしてないだけの話である可能性が高い。 ちゃんちゃん♪
mixi をご利用いただく上で、下記の環境を推奨しています。
[OS]
Windows 2000、Windows XP、Macintosh OS X 10.3以上
[ブラウザ]
Windows : Internet Explorer 6.X (7.Xは非推奨です)
Firefox
Macintosh : Safari
Firefox
※ ブラウザは最新バージョンをご利用ください(Internet Explorer 7.X及びベータ版を除く)。
次に、mixiのリニューアルそのものよりも話題を呼んでいるらしい、 今回のmixiのリニューアルについて - 専門家に聞く [All About プロファイル]というコンテンツの件。
まともな意見もあるが、これが「専門家」なのか???というのもある。以下、いくつかの人物のコメントについて抜粋しながら。
CSSでのコーディングが中心になり、今後の機能追加でのデザイン追加等が容易になるなどのメリットが運営者側にはあったと思いますが、これではユーザー側のメリットがわかりづらいものがありますよね。短いがある程度的を得ていると思う。ちなみにクロスウェーブという会社どっかで聞いたなーと思ったら、楽天市場に出店した店舗のデザインの外注で有名な会社である。
クロスウェーブ社 鈴木氏のコメント
ところでクロスウェーブ社の公式サイトを見たらページの下部にこんなものが。
2006年3月ごろのサイバーエージェント、Googleの逆鱗に触れてインデックスより削除事件のときとまったく同じ手法。なんだかなあ。
次。「東京アナグラム株式会社 寺田 あつし Webデザイナー」さんのコメントが一番痛々しい。
今回のmixiリニューアルですが、デザインのみならずCSSや文書構造の設計も話にならないほど悲惨な状況です。何がどう悲惨なのかわからない。CSSの構造やid/class命名規則もそれほどおかしな点はない気がするが。
いずれにしても上場企業のする仕事とは思えません。 そもそもせっかくリニューアルといっているのに、いまだにphpではなくperlで動いているあたり。。。
こういう人に「mod_perlってなんですか?」とか「アマゾンのフロントエンドがperlで動いてることをどう思われますか?」という質問をしてみたい。 ちなみに米国amazonのエンジニア募集ページでは相変わらずMason(perlベースのテンプレートエンジン)が要求される資質のひとつとなっているなあそういえば。
どう考えても創業以来からの身内で開発をしているとしか思えません。技術や知識が古く、独自の思考をもった温室エンジニアたちが、権限ばかり与えられて新しく入ったデザイナーやコーダーと上手に連携できていない様子が目に浮かぶようです。
創業以来からの身内で開発って、その身内というのは実はとあるインドネシア人留学生(現在は日本に帰化)1人だけであり、お試しというか研究目的っぽく作り始めたサービスが年末ジャンボ宝くじなみに大当たりしたというのが実態である。mixi自体が相当大きくなってきた頃でも開発の主担当は実質彼だけだったはず。
で、その後は、インフラ設計までも1人で見れるわけもないので例えばapache関係で著名な小山氏(あれ?http://module.jp/つながらないぞ)を呼んでみたり、「検索」というかなりディープな命題についてはHyperEstraierという検索エンジンの開発者として著名な平林氏(2004年度第2回未踏ソフトウェア創造事業 天才プログラマー/スーパークリエータ認定)が入社したり、ともかく温室エンジニアと呼ぶにはあまりにも失礼なエッジな方々もいる。
上場企業なのですから、このリニューアルによる悪評を聞いた株主たちが黙っていません。僕がmixiの株を持っていたら即座に売るでしょう。
「リニューアル後のデザインどうよ?」という質問にはまるで無関係。そういう話の脱線をやってもいいのは飲み屋で飲んでるときか自分のブログになんか書いてるときだけである。
どこまでいっても「なぜ上場したのか・・・」という問題に尽きます。
総じて、Web屋として食っていてしかもallaboutで「専門家」を名乗っている人のコメントなのだろうか本当に、という問題に尽きる。そしてallaboutのいう専門家とはなんなのかという話も。
次。株式会社チームデルタ 代表取締役社長 谷口 浩一 氏。
人の目に触れるデザインに限定して考えれば、使い勝手を劣化させる要因は、あちこちで語られるほど多くはないと思います。 文書構造(CSSをはずして、ページタイトル、見出し、本文の上下関係、強弱関係)は、以前よりもよくなっています。 この恩恵は、主に音声ブラウザ利用者にもたらされるかもしれません。 モデルチェンジ直後に賛否両論、入り乱れるのはWebデザインの世界だけではないし、この議論は間もなく収束するんじゃないでしょうか。
これには筆者も同意見である。他の方のコメントと比較すると最もまともというか、うなづける。先述の寺田あつし氏の話とまるきり逆なあたりが笑える。ちなみに「それよりも、昨年、上場時に約2000億円も市場から調達したミクシィに...」のくだりは単なる数字の記憶違いor情報の拾い違いと思われるのでスルーしましょう。(たしか100億前後だった気がする)
次。UJI PUBLICITY 代表 アートディレクター ウジ トモコ 氏
WEBアプリケーションやSNS、WEBサイトのデザインリニューアルには、いくつかパターンがあると思います。
1.機能向上のための、仕様変更によるやむないデザインリニューアル
2.ユーザービリティ向上のための、デザインリニューアル
3.企業が自社ステイタスを上げたい、またはPR効果としてのデザインリニューアル
MIXIの今回の場合は、もちろん1.2も当然あったと思いますが、「うわさになりたい」「話題になりたい」も強かったのではないでしょうか。
コードを読み書きしない人にありがちな見た目だけの判断。
次。株式会社ライブログ CEO 元木 一朗 氏 ITコンサルタント
(以下、allabout上ではなく自身のブログのほうの記事から抜粋)
もう一つは、頑張って会員数を増やすというのがある。ミクシィが取った手段は後者。なので、サイトの一番目立つところにでかい「友人を招待する」ボタンがある(笑)。邪魔だっつうの。そもそも、友人を招待しようと思っている人は探してでもボタンを見つけてきてクリックするって。
WEB2.0(っていうんですか?)ITベンチャーの社長のブログ:mixiのインターフェイスがまた改悪された件
「一番目立つところにある友人を招待するボタン」というのが意味わからなかったので探してみた。
なるほどこれのことか。右上のログアウトボタンの下あたり。
本来広告を置くスペースに自社サービスの販促広告(っぽいもの)を置いているだけのことではないだろうか。他のサイトでもよくあることである。とくに邪魔には感じない。
なお、「3.とにかく総合ポータルになりたい」のあたりはおおむね同意。
次。株式会社環 取締役 管理部長 小坂 淳 氏
手堅いコメントではあるが、 「今回のmixiのリニューアルについて」「どこがどう良くなったんでしょうか?」という最初の質問に対する回答にはなってないのでスルー。他の人がある程度書いた後からのコメントなので仕方ないといえば仕方ない。
