「端末を45分間操作したら15分休む」のは20年前のモニタ性能ならありうる。
いまさら感ありありの話なのだが、スシ食って一杯飲んでいい気分で帰ってきて寝る前にちょろっとこんな記事をみかけたので。
社保庁の組合は自治労系が9割以上の組織率を誇り、地方の社会保険事務所の現場を仕切っていた。社保庁労使が交わした100件を超える労働協定の存在が明らかになり、いまはすべて破棄されている。端末を45分間操作したら15分休むといった常識外れの内容だったのだから、それも当然だ。
宙に浮いた年金記録5000万件は、こうした環境下で生まれた。
花岡信昭:首相官邸は「ねんきん特別便」を見たのか - ニュース - nikkei BPnet (2007/12)
社会保険庁の中の人がダラダラとした仕事をしていた何十年かぶんのツケがどっと来た状態が現在の年金問題の主因でありそれはまぎれもなく中の人のせいであるという話に異論は無い。
しかし、「端末を45分間操作したら15分休む」というのは、20年かそこらくらい前の大昔のコンピュータ端末のモニタの性能であればその規定は常識はずれどころか実はとても妥当だったのではないかと筆者は思う。
筆者が小学生のころだったか中学生のころだったか定かではないが、当時大学生くらいだった近所のあんちゃんが目を真っ赤にしていたことがあった。いわく、ちょっとしたデータ入力のアルバイトを短期でやっていたらしい。 徹夜作業なわけでもないのに、やたら目が疲れると言っていた。1,2時間もモニタを見続けて作業したあとでふと見上げると世界がピンクがかって見える、と言っていたのも不思議とはっきり覚えている。
これはあとで知った話なのだが、数十年前のコンピュータ端末用のモニタというのは、その当時の通常のテレビと比べても、出す光の強さがやや強かったらしい。家庭用と違って業務用なだけに、なんというか、そういう身体的安全性とかはおろそかになりがちだったそうだ。
数十年前当時のコンピュータ端末のモニタでは、画質の荒さは通常のテレビと同じである。 テレビは1,2メートル以上離れてみるので多少の荒さはまったく許容範囲だが、40センチ以下の距離で見るとなると話はちがってくる。しかし、当時の技術では、今のモニタのような高精度、高精細は不可能だった。 現代においてはPCに向かって1,2時間仕事していても、ちょっと目が疲れたかなぁくらいは感じるにしても世界がピンク色に見えるくらいに目に異常をきたすというのはないだろう。
そう、今の世界で我々がパソコンの画面を近距離で1時間以上見続けられるのは、モニタの性能が異常に良くなったおかげである。パソコンをテレビ用のプラズマディスプレイに接続して使っている風景もたまに見かけるが、その場合のユーザーと画面との距離は1,2メートルくらいは自然とあるはずだ。だって、そういう距離で見るのが前提なんだから。
とにかく、社会保険庁のコンピュータシステムがいつから構築されどんな機材が使われてどのような変遷を経て今に至るのかなんてところまで詳しい話を追うつもりはまるでないけれど、通常のテレビと大差無いくらい精細度の悪いモニタを40センチ程度の近距離で見ざるを得なかった時代の業務用端末と、いま現在のPC用高性能モニタとを同じに考えちゃいけないことは確かだ。
がしかし結局、環境の変化やコンピュータ技術の進歩にあわせて労働協定を見直すということを怠ったという意味ではやっぱり仕事してなかったんじゃんと言ってしまえばそれもそうなのである。

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