GMailが仕様を再変更。連続ドットや@直前ドットのアドレスへの送信を許可(対ezwebとdocomoだけ)
まとめると、
- 2008-09-15ごろ以降、 GMailからはドコモやAUの連続ドット(RFC違反)メールアドレスにメールできなくなった
- 2008-10-05現在、gmailおよびauoneメールにおいて、@ezweb.ne.jpと@docomo.ne.jpの二つのドメイン配下のメールアドレスに対してのみ、連続ドットや@直前ドットを含むアドレスへの送信が可能なように再度仕様変更されていることが確認された。
- ちなみに@softbank.ne.jpとか@*.vodafone.ne.jpとかはこの措置の対象外。 大昔のvodafoneはともかくsoftbankは違反アドレスの取得を許可していないから当然といえば当然。
正しいか正しくないかという意味ではなく当面の混乱を避けるという意味で、Googleの行動は妥当だ。だが未来においてどうなるかはわからない。
メールの話を続ける前に、ちょっと違うケースの話をさせてもらいたい。今となってはなつかしくもある、2000年問題のときのことだ。
2000年問題のとき、問題を解決するためのあるひとつの手段があった。「時間もどし」である。 つまり、2000年になった瞬間からバグることがわかっているのなら、システムの時計を1990年あたりに戻せばいい、という手法だ。
オープン系のシステムはほとんど2000年対応済み、というよりそんなこと考えるまでも無いくらいのレベルの基本設計におりこみ済みだったが、いわゆる旧式のメインフレームやオフコンと呼ばれる類のものにはハード的orソフト的に「ヤバイ」ものがあったのだ。当時の不況では、予算の乏しい企業にとって時間戻しという手段は現実味をおびていた。
もちろん時間もどしは禁じ手のひとつだ。だって、そのあと誰がそんなシステムの面倒見たい?(笑) そういう理由あるし、そもそも多くの企業がそういう手段を選択してしまったら、 個別の企業だけの問題ではなく社会全体のシステムという意味でなんらかの混乱をきたしてしまいかねない。そうなったらもう、システム屋も各企業の情報システム部門も社会全体としても、まさに泥で縄をなうような暗い未来へようこそ!
だからこそ、少なくとも筆者の知っている限りでは日本国内のほとんどの有名どころのシステム屋あるいはハード/ソフト屋は、すべての取引先にこう宣言した。「時間もどしという手段を取ったシステムについて、以後の保守契約を打ち切るorサポート対象外とさせていただきます」 もちろんどの程度の例外があったのかは今となっては闇の中だ。
さて、話を現代の電子メールシステムに戻そう。 2000年問題ほど史上まれにみるレアケースな話と、今回の話はかなり違う。しかしITはIT。いや、ITに限らず、 一度例外を認めてしまうと以後はいわゆる「泥縄式の対応」ってやつが待っているかもしれないという点において同じだ。
Gmailと同システムでやってるauoneメールでauone-net.jpドメインの違反アドレスに送ろうとするとやはりまだメール送信できないの図が下。
(下のキャプチャ取ったのは9月だが2008-10-05現在で状況が同じなことは確認済み。また、auoneメールではなく通常のGMailでやっても同じなことも確認済み。)
とにかくGoogleは@ezweb.ne.jp、@docomo.ne.jpの二つだけは対応するという選択を下した。 がしかし、このあとKDDIが「だったら @**.auone-net.jp」も頼む!とか言い出したらどうする気なのだろう?(笑)
ちなみに、知ってのとおりマイクロソフトはこの件に関して明確にNOを打ち出している。
- @ の直前にピリオドがあるなどのRFC に準拠していないアドレスとのメール送受信について MSN ヘルプ - お知らせ
- メール アドレスの @ より前にピリオドがあるなど RFC に準拠していない宛先に Outlook からメッセージを送信できない
インターネット標準仕様(RFC)というやつを無視した状態をインターネット上で長く続けるとどういう状態になってゆくか?という、1999年iモード登場以来おおよそ10年越しの壮大な実証実験を、今後も生暖かく見守ることにしよう。
see also:
- RFCを読まなかった携帯キャリアの罪 (2004/10)
- DoCoMoの説明にある「RFCに準拠しています」はウソ (2006/4)
- ドコモの説明から「RFCに準拠しています」が削除 (2006/4)
- みんなで渡れば怖くない - au by KDDI メールアドレスにRFC違反を故意に許すの巻 (2006/6)
- KDDI 会社情報: ニュースリリース > Googleの技術を活用した「au one メール」の提供について (KDDI 2007/7)
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ドコモもauもいいかげんにメールアドレス設定の仕様を直せ。 (2007/11)
-
ドコモもauもいいかげんにメールアドレス設定の仕様を直せ。の続きと補足 (2007/11)
- 仕様変更?アドレス認識できないエラー発生 - Gmail 要望・提案 | Google グループ (2008/9)
- au one net(旧名称DION)ではいまだに連続ドットのメールアドレスが取れてしまうの巻 (2008/9)

コメント
どこから圧力があったかわかりませんが(あるいはユーザー要望かもしれませんが)こういったグローバルな企業が、規約と違う対応をするのは疑問を覚えます。
こういう対応を一部のところがやり始めると、他も対応せざるおえない状況になって、システム屋としては本当に泥沼化しそうで怖いです。
そういえば、大昔、IEで間違った文法でも平気で解釈して表示が出来てしまったせいで、他のブラウザでも構文ミスを許可せざるおえない状況になったということもありましたね。そのせいでブラウザの開発コストとコードがかなり増えたという話を聞いたことがあります。
そのマイクロソフトが断固たる姿勢をとってるのはちと苦笑いですけど。(それとも過去の教訓かな??)
なんかDocomoやKDDIがまた一段と「グローバル企業」なんてでかい顔しそうでヤですねw
Posted by MK2 at 2008年10月 7日
泥で縄をなうではなく、泥棒を捕らえてから縄を綯うだと思います
Posted by 金田一 at 2008年10月 8日
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