日本でのネット決済サービス環境整備はちょっとずつ前進しているようだ

また一歩、ネット決済サービス(特に送金業務)の拡大につながる法整備が前進したようだ。 詳しくは今朝の日経の紙面に出ていたのでそっちを参照してほしい。 ものすごくはしょって言うと、個人/法人を問わず銀行振り込みより手軽かつ手数料の安い(個人間ならほぼ無料)、Paypal(ペイパル)みたいなお金のやりとりサービスが広がってゆく土台のひとつが整った。

実は、paypalやそれに類するサービスは法律的にとてもグレーな状態にあった。

送金業務の規制緩和を睨み、 異業種の陣取り合戦が本格化|週刊ダイヤモンド ITBizNews (2009/4)

「世界各国の日本語を用いる利用者の便宜のために提供するのであり、日本在住者の勧誘を行なうものではありません」

 世界有数のインターネット決済会社である米国の「ペイパル」の日本語サイトには、なんとも奇妙なコメントが記載されている。

 日本語なのに日本は対象じゃない? 関係者が「日本で一般事業者による送金業務が禁止されているための苦肉の策なんです」と裏事情を説明する。ただ、このコメントは、もうすぐ削除される可能性が高い。というのも、これまで銀行に限定されていた送金業務を、他業種に解禁することを盛り込んだ法案が閣議決定され、今通常国会での成立が見込まれているのだ。

 規制緩和の背景には、ITの発達で、銀行以外の業者が簡単に送金サービスを提供できる下地が整ってきたことがある。ペイパルなどの送金業者が営業している米国では、日本よりも割安で便利な送金サービスが普及。日本でも、手数料の低下や利用時間の拡大などが期待できる。ただ消費者保護の観点から、1 件当たりの送金額は50万~100万円の上限が設定される見込みだ。

アメリカ本国でもpaypal(他社の類似サービスも)の法律的グレーゾーン問題は過去あった。 → “無免許銀行”か否かで揺れる米国のオンライン決済サービス:ITpro (2002/5)

んで、数年ごしでこのたびめでたく法律的な環境が整いますと。素直に歓迎したい。 あとは、さまざまな事業者による個人間送金サービス業務への本格的な参入である。 Paypalはもちろんだが、ドコモとかも当然のごとく参入してくるだろう。

たとえば、飲み会でワリカンにしようかというときに財布取り出して千円札数えてやれ釣りが無いだのなんだのと酔った頭でやりとりする手間が、「全員携帯出せ!んで○○の口座(電話番号?)に○○円送金処理してボタン押せ!」という方式に変わることになる。もちろんこのやりとりは互いに遠隔地でも可能だ。 ただし、ドコモはドコモ同士、auはau同士でしか送金できないとかそういうアホな状況にならぬようにキャリア各社さんはよく話し合っていただきたく切に願う(笑)。

無料でネットサービス提供してAdsense広告で稼ぐという方法しかなかった弱小Webサイト運営者にとっても、朗報である。 なにしろ銀行振り込みはユーザーにとって面倒だしクレジットカードは加盟店にとって手数料率が高すぎるしWebMoneyとかいってなに?コンビニでWebmoneyカードを買う?よくわかんね、というユーザーもいて当然だし。 ちなみに、ちょっと古い話だがモバゲータウンはWebmoneyを使うことにしたらしいが、これはターゲットユーザーが主に10代であるがゆえにコンビニでWebMoneyカードを買うという決済方法に抵抗が無い(というよりそれしかない)ということだろう。

金を取るために金がかかるがゆえに、 Web屋がいわゆる「チャリンチャリンのビジネス」を実現するには結局、携帯キャリアの公式サイトになってその課金サービスに頼るくらいしかうまい方法がなかったのだが、今後はもう少し選択肢が増えることになる。いいことだ。

マネーロンダリングとかそういうのに使われるんじゃね?という不安もあるが、たとえばpaypalでも「現金化」のためには結局は一般の銀行口座への振込みが必要になるので、その口座の本人確認は銀行の役割だろう。

不安材料はむしろ違う面にある。銀行振り込みとクレジットカード以外の決済手段が決済手段として一般ピープルに認知され「なにそれ?」的な不安視されないようになるためには、そこそこ有名なサービスなりWebサイトなりがその決済手段を前面に出して使うようになる必要がある。 たとえば楽天市場やYahooオークションでpaypal決済ができるとか。

ところが、YahooはYahoo!かんたん決済とか Yahoo!カードとかいうものを持っていたりするし、 楽天もやはり楽天カードといったサービスをすでに持っていたりする。うっかり「paypal決済に対応しました」とか言い出すと自社サービスの首を絞めることになりかねないので慎重になってしまうだろう。あちゃー。新進の会社のはずがいつのまにか自身の旧来型ビジネスの既得権にしがみつかなければならないの図。

Yahoo!カードはまだ利用者が少ないのでいっそやめてもそれほどの打撃ではなかろうし、Yahooかんたん決済のほうはそれそのものがpaypal的なサービス化の可能性を秘めているのでむしろ期待できるかもしれない。問題は楽天だ。楽天KCは2005年の国内信販株式会社の買収が土台となっておりそのときすでに200万人を超すカード会員が存在したし、その後も着実に発行数を伸ばしている。 ましてや楽天はイーバンク銀行という本物の銀行をもその傘下におさめており、残念ながら楽天自身がpaypalのような新型の決済サービスと戦わなければならない側であることは間違いない。

一方、スーツ着た銀行員やら証券マンやらシステム屋の皆様方はお上品に日本マルチペイメントネットワーク推進協議会なる団体を作ってなんかやってるらしいんだが、なんかやってるらしいところまでしか理解できない(笑)。 ペイジー?うん、どっかで聞いたことはあるけど、結局はpaypalみたいな黒船来襲で終わる系じゃねこれって? っていうか8年近くやってまだ対応サイトこんだけかよ。要するに企業同士の義理参加でしかないじゃん。Lモードと同じ運命をたどるに200カノッサ。

個人的にはYahoo!かんたん決済paypal的に衣替をする方向で期待したい。なんでって、ペイパルつってもわかんないけど、ヤフーって言えば誰でもわかるでしょ、結局そこだと思う。そんな動きあるのかしらんけどさ。

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先日、楽天も「楽天キャッシュ」と称する独自の決済サービスを始めています。
ご参考までに。
http://point.rakuten.co.jp/doc/cash/howto.html

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