書評:600万人の女性に支持されるクックパッドというビジネス (角川SSC新書)
たまには書評なんてものを書いてみるか。
角川SSコミュニケーションズ
普通に面白かったですが、ちょっと称賛しすぎかな。
マザーズ上場用の宣伝のはずだが買って損はない
本質を掴んだ"恋愛"指南書
世界最大のレシピサイト 誕生秘話
読むべきはweb担当者料理レシピの投稿&検索サイトクックパッドの存在は知ってはいたが、いつのまにかマザーズ上場だったとは。 何はともあれ、おめでとう。
外人のおっさんのスカっとした笑顔にその後1年間ボーっとして過ごすほどの衝撃を受け、起業。 儲からないクックパッドを1998年以来かれこれ10年かけて運営し、嫁の実家(農家)が送ってくる食料とで文字通り食いつなぎ、いまに至るという。 ハシにも棒にもかからないWebサイトを乱発しては話題を振りまき作り捨てるだけの刹那に生きる人々はクックパッドの中の人のツメの垢を煎じて飲むべきじゃなかろうか。
クックパッドというとRuby on Railsを全面導入していることで一部のプログラマーの間では非常に有名だが、この本にはそこまで技術的なことはほんの少ししか触れていない。 Webサイトで大切なのは、シンプルなコンセプト、シンプルな機能、高速性とそれを支える技術、そして何よりも、5年でも10年でも続けるこだわりと情熱なのだ。そんな超基本を振り返らせてくれる一冊だ。
この本を読んで、もうひとつ思い出した。書評ついでにもう一冊紹介しよう。
新潮社
熱意が伝わってくる
人生の転機はどこにあるか分からない。
またタリーズに行こうと思う
夢の大切さ、そして人への感謝を感じれる1冊です。
タリーズが好きになりました。こっちはタリーズコーヒーの日本法人の創業者による起業物語である。 なお、文庫版のほうにはハードカバー版にはない加筆があるので、文庫本の方をおすすめする。
ご存知のとおりタリーズと言えば街のコーヒーショップであり、クックパッドのようなWebサイト屋さんではまったくない。がしかし、両者とも創業者が幼少期を海外で過ごし、「食」に着目をして起業し、そして株式上場に至るという点で共通している。
実はタリーズは株式上場後、数年で上場廃止している。とは言っても昨今よくある会計不正とか業績不振とかが理由ではない。社長が別な投資会社のようなものを作ってそっちの資金になったとある。べつにあやしげな感じではない。とにかく、上場はゴールではなくあくまで手段である、と言うタリーズの社長の言葉は単純だがもっともだと思う。
ひるがえってクックパッドを見て見よう。7月17日上場初日は買い気配のまま値がつかず終了。 公開価格ベースの時価総額は124億円だが、気配値はその倍くらいだったようだ。 目論見書を見ると、確かにここ1,2年は倍倍くらいの勢いで売上高を増やしているっぽい。
だが、よく考えよう。お料理教室とかレシピとかそういうのってもうどこにでも溢れていて、つまり既にレッドオーシャンじゃないだろうか。そんな環境にあって、10年がかりで育てたサイトを短期的利益ばかりにとらわれがちな新興上場企業の立場においてしまうのが果たして得策かはよくわからない。
そう考えると、ある程度がんばったところでタリーズのように上場廃止してしまうのも実は悪くないんじゃないかと、そんなことを思った。



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