10年後の今こそ、元ロッテの小林至投手によるあのコラムを読み返してみてはどうだろう。

今年(2010年)の5月ごろにひろゆきと勝間の某対談がグダグダだった件をとりあげたとき、「日本人の幸福度は低い」という国際的な統計調査結果があることを初めて知った。いや、ニュースは見たような気がしたが、完全に読み流していたんだと思う。

だって、正直なところ、そんなのを国別に並べて相対評価してなんになるの?としか思えないから。

「まともなID(身分証明)が無いからコンビニとかチェーンの居酒屋とかでは雇ってくれない」という趣旨のことをたどたどしい日本語で一生懸命に話しながら丁寧にお酌をする、新宿の超場末の飲み屋の姉ちゃんが言うには「あったかい部屋で白いご飯をおなか一杯食べられれば最高に幸せ」だそうだ。 一方で年収一千万以上という譲れないラインを目指してお見合いパーティに通いつづける女。 「スーパーウーマン症候群」に陥ってゆくカツマー達。 スペースシャトルに乗って宇宙へ行く夢を果たした妻。その妻の夢と子供のために自分の夢をあきらめ主夫となり、情熱大陸の取材カメラと妻とが同席しているその場であっても、「俺にだって夢はあった」と、わだかまりを全く隠そうとしないことによってかろうじて自己を保つ。 劣等感とまともに向き合うこともできず「彼女ができない」という理由で秋葉原でダガーナイフを振りまわした男。 エイズの蔓延によって平均寿命が30代に急減し、どうせ死ぬんだと破れかぶれになった若者が次々に犯罪に手を染めてゆくアフリカ。 「リストラなう!」と自虐的に日々をつづるサラリーマン。FXという名の鉄火場で人生逆転を狙う博徒の末路

幸せってなんだ?

急に話が飛ぶけど、「リストラなう」の人の去年の今頃のこの書評はなかなか興味深い。→「ウォルマート地獄」の巧妙な仕組みを考えてみる - たぬきちの「リストラなう」日記

さて、長ったらしい前置きはこれくらいにしよう。 「東大出でプロ野球選手を目指しロッテに入団した小林投手」っていう話を覚えている人、いるだろうか? いたんですよ、とにかく。 作家の村上龍が妙にネットにはまってメルマガやら何やらをいろいろ試行錯誤していたときに、 小林氏が寄稿したのが、「日本人に生まれてよかった」の出だしで始まるこのコラムである。

読む前に頭に入れておいて欲しい。このコラムは2000年1月に書かれたものだ。

大切なことだからもう一度言うよ、2000年初頭といえば、 ニューヨークの911テロ事件も、エンロン巨額不正会計事件もイラク戦争も「大量破壊兵器」も「派遣切り」も「婚活」も無い。楽天ですらまだ上場前でmixiやgreeは影も形も存在しない。ブログという単語もない。Yahooの株価がちょうど1億円の値をつけて週刊誌の話題をさらっていたITバブル絶頂期。牛丼の並は400円。小泉首相はまだ首相ではなくただの変人扱いで、グッドウィルもコムスンもイケイケで、介護保険制度の施行の直前。 とにかくそういうころに書かれた文章だということ。

「昔はよかった」などというセンチな回顧趣味でこれを紹介しているつもりはまったくない。 正解も正論もない。人それぞれだ。そしてキミは、どう思う?

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