こんにちは ○○さん。もしあなたが○○さんでないのならサインインしてください。
アマゾンで一度でも買ったことのある(又はメールアドレスを登録したことがある)人なら
誰でも知っている文章だ。
Webシステムやデザイン業界においてはパーソナライズされたwebサイトの見本、典型例として、
かなり古くから知られている。
この「サインイン」のところをクリックして起こることは、次の二つである。
- ログイン画面の表示(アマゾンではログインのことをサインインという)
- ブラウザとサーバ間での現在のセッション情報の廃棄。
1はともかく2は
普通は「ログアウト」という言葉で表現される。 だったら
こんにちは ○○さん。 (ログアウトする)
これじゃいけないのだろうか?実際こういう表現をしているサイトはいくらでもある。
Webサイトの運営経験のない人にはわからないかもしれないが、
Webサイトのトップページの上部というのは新聞で言えば一面トップの右上のようなものだ。
非常に貴重なスペースであり、無駄な文句や画像はまず許されない。
なのに、なぜいつまでたってもアマゾンはあんな長ったらしくまわりくどい文章を使い続けるのだろう?
Yahoo!ですら「ログアウト」という表現をそこらじゅうで普通に使っているのに?
最近、ようやくその理由を見出した。こんな話を聞いたことがキッカケだった。
妻が、あるホームページに会員登録したんですよ。自宅のパソコン使って。
面白そうだから僕もそのホームページを使いたいと思ったんだけど、僕が使おうとしても
「こんにちは○○さん」(妻の名前)って表示されてて、僕が使うには不都合だったので、
仕方がないから僕は会社のパソコンから登録して会社で使ってるんですよ
後からそのサイトを見たのだが、無料ユーザー登録→ログイン、という、
会員制サイトとしてはごく一般的な流れをとるサイトで、おかしなところは特にない。
私はその男性が何を勘違いしているのか始めはさっぱりわからなかったので
さらにいろいろ話を聞いたのだが、その結果ある事実が判明した。
- 「ログアウト」というリンクがちゃんとあるのにそれを押していないらしい。
- そもそも「ログイン、ログアウト」という概念がまったくわかっていないらしい。
そんな人に「ログアウト」というリンクを見せても何にもならない。あけてみれば単純なこと。
素人のユーザーの視点に立てば、アマゾンの文章はごく妥当な表現だったのだ。
ついでに書くと、アマゾンでは、ふつうは「ユーザー登録」と「ログイン」という別々な言葉とフローに
わかれるはずの概念を「サインイン」という言葉にまとめ、
それにあわせた独特の画面フローになっている。
これについてはまたの機会に記事にしたいと思う。
See also: サインイン、それだけ。