大企業+ネットバブル=末路は?

2000年前後のネットバブル期にそれゆけとばかりに目を泳がせて 資金や人手をネット系事業につっこんでしまった大企業は多い。 結論から言おう。それらの多くは死屍累々である

Yahoo!、キュリオシティを買収 (ITmediaニュース 2005/3)
キュリオシティは 天下の三井物産様が96年か97年くらいからおっぱじめたショッピングモールだが、 発行済み株式91%が1億2300万円ということは100%買っても1億5000万円にも届かない。 10年近くやってたったそれだけの企業価値ですか

もちろんYahooがキュリオシティそのものに魅力を感じたとは思えない。 少ないながらもいることはいるのであろう固定客をYahoo!ショッピングにそっくり頂戴する事と、 キュリオシティの人材でECサイト運営と開発に長けた人材がいればあわよくばそれも頂戴という算段なのだろう。

キュリオシティの過去のプレスリリースなど見ていると、有名どころの企業と 第三者割当増資やら業務提携することでなんとかやってます的な息継ぎをしていた感がある。 組もうとする側もまた、ネットの海に泳ぎ出たものの策が無いのでとりあえず 有名どころの商社様とおつきあいすることでお茶を濁していた感がある。
社長「ネット事業の調子はどうだ?」
担当役員「はっ。三井物産と提携戦略を取っております」
という会話が目に浮かぶ。実際この会話だけ見るとなんだかすごいことやってそうに見えるし。 しかし実際は、自分ではわからないから他人のやることに一枚噛もうとしているだけであり、 それを簡潔に言うと烏合の衆という。

いつ潰れるのだろうとウォッチしているサイトが他にもある。 セブンドリームドットコムだ。 ここもまた2000年ごろに大々的におっぱじまったサイトである。 ちなみにセブンドリームの「セブン」とは、セブンイレブンのことではあるが、 もうひとつ大きな意味がある。

  1. セブンイレブン
  2. NEC
  3. NRI(野村総研)
  4. SONY
  5. 三井物産(ここも物産か・・)
  6. JTB
  7. キノトロープ
計7社=セブンというわけ。 社名を並べてみただけでも「船頭多くして船、山に登りまくり」な感じが想像できるが、 実際そうであったかどうかはともかく、今は笑ってしまう状況にあるのではと個人的に想像している。

セブンドリームプロジェクトで唯一利を得たのは、 当時まだ無名だったキノトロープがWeb制作会社の大手として 地位(ブランド)を確立できたという点においてのみだろう。 セブンイレブンはセブンドリームをあきらめてセブンアンドワイなる新たな目論見を打ち出しているが、 とりあえず見た目だけアマゾンの真似をしてみました的なことしか感じ得ない。 (セブンアンドワイに関しては後日また別途記事にしたい)

そういえば三井物産がらみでほぼ唯一うまくいっているのは リンクシェア ジャパンくらいではないだろうか。 最近三井物産からスピンアウトして、上場を目指すんだそうだ。 しかしここも、米国のリンクシェアを輸入したに過ぎない。商社らしいといえば商社らしい。 一応、提携先はいろいろだが、 目新しさも活気も感じないというのは筆者がひねくれすぎだからだろうか。

ようやく公式なNTPサーバが日本にも

パソコンや業務用サーバはもちろん、家庭用テレビやビデオデッキなどあらゆる家電製品にいたるまで、必ずといっていいほど時計が内蔵されている。

たいていの時計はクォーツ式、つまり、水晶の石に電圧をかけると一定の間隔で振動する性質を利用している。ところが、製品の種類やメーカーにもよるのだが、そうした内蔵時計のクォーツ部品は腕時計などに使われているそれと比べるとやや品質の低い部品が使われるケースが少なくない。パソコンの時計が1週間で2、3分も狂ってしまうことがあるのはそのせいである。

しかし少々時計がくるってもこまめに調整すればそれで問題は解決する。その最たる解決策が最近登場した電波時計というやつだ。また、そうした日本標準時の短波放送など無い時代であっても、NHK教育テレビの「ピッピッピッポーン」という時報の音声にあわせて自分の時計を自動的に補正する機能を持つテレビやビデオデッキはけっこう昔からあった。筆者がつい最近買った某社のハードディスクレコーダーもやはり教育テレビの時報に合わせる機能があることがマニュアルにはっきりと書かれている。(電波時計じゃないんだなぁ。へぇ。)

TVアンテナにつながっていることが前提のテレビやビデオデッキだからこそ可能な工夫だが、ではパソコンやサーバの内蔵時計はどうしたらよいのだろう?

という問題を解決するために考案されたのがNTP = Network Time Protocol = ネットワーク時刻同期サービスである。コンピュータは、アンテナにつながってなくともネットワークにつながっている。ならば、ネットワークの先にあるコンピュータ=NTPサーバ=の時計を参照して時刻を補正できるようにしようというプロトコル(通信手順)。それほど最近の発明ではないらしい。RFCを見ると、1992年とある

NTPに関する詳しい説明はここでは省略するが、ポイントは、NTPはクライアントサーバ型であり、当然、正確な時刻に調整されている時計を持つコンピュータをNTPサーバとする必要があることだ。パソコンや業務用サーバなどはNTPクライアントとしてNTPサーバを参照することで、自分の時計の時刻を自動調整する。

しかし、恐ろしいことに、つい最近まで日本には「公式な」NTPサーバが存在しなかった。何をもって「公式なNTPサーバ」とするのかという問題はさておき、例えば国立天文台だとか、文部省だとか通産省だとかが、常に正確な時刻を維持する公式NTPサーバを持っていてしかるべきと考えるのが普通だろう。

とにかく、日本では公式なNTPサーバが存在しない状態がここ10年以上続いていた。その結果どうなったかというと、

福岡大のNTPサーバがアクセス集中で悲鳴 (ITMedia.co.jp 2005/1)
そう、比較的早い時期から福岡大学のとある情報処理系の研究室で研究目的に運用されていたNTPサーバが「事実上の標準/公式」なNTPサーバと認知されてしまい、記事にあるような悲鳴をあげる結果となっていた。

とはいっても、本当に誰も手を打っていなかったかというとそうでもない。

通信総研とNTTら,日本標準時をNTPサーバで実験的に公開(ITMedia.co.jp 2001/1)
日本の公式なNTPサーバとおぼしきものの実験運用が2001年ごろから始まっていた。 それから実に4年の歳月を経たこの3月、ようやく「実験運用」の冠がはずれ、正式サービスとなった。
マルチフィード、NTPによる時刻合わせサービスを正式に開始 (Internet Watch 2005/3)

それにしても日本標準時をNTP配信する公式なサービスがいままで無かったというのがこと自体がそもそもおかしかった。インターネット上のごく基本的なサービスの基幹となるサーバがようやくまともな形で提供されるようになったばかり。実はこれが日本のインターネットの現実でもあるのだ。

なお、ユーザー各自のパソコンやサーバー上のNTPクライアントソフトの参照先として、インターネットマルチフィード社のNTPサーバを指定すればよいかというとそれは早計である。日本中のマシンからのNTPアクセスが一箇所に集中してはさすがにサーバがもたない。

Windows XPならNTPクライアント機能が内蔵されている。コントロールパネルの日付と時刻の画面に、インターネット時刻というタブがある。デフォルトでは「time.windows.com」といったサーバー名が入っているはずだ。それがマイクロソフトが用意しているNTPサーバなのだが、当然ながら世界中のWindowsPCが参照しにいってしまっているため動作が不安定なことが多い。

たとえばなんらかのプロバイダを利用している個人ユーザーであれば、そのプロバイダが持っているNTPサーバを指定するべきだ。たとえばOCNならこんなふうに説明されているように、プロバイダ内でNTPサーバを何台か立ち上げ、プロバイダのユーザーはそのNTPサーバを参照してもらう。そのNTPサーバ自体は上位サーバ(例えばマルチフィード社)を参照する。 こうすることで、NTPの負荷を分散させることができる。

ところが、プロバイダによっては自社内でNTPサーバを用意していなかったりする。 YahooBBなどの大手でも用意していないようだ。プロバイダ事業者の意識もいまだ薄いのだ。

参考: NTPの使い方 : インターネットマルチフィード時刻情報サービス for Public