家庭にはPCの代わりにThinClient(シンクライアント)を
ちょっと前の記事だが、これ↓にかなり同意。
【ビジネス提案】家庭にはPCの代わりにThinClientを (sanonosa システム管理コラム集: 2007/3)ビジネス用途でばかり注目されがちなシンクライアントだが、こと日本においては、実は家庭向けにこそ通常のパソコンよりもシンクライアントが向いている。
とりあえず、シンクライアントについて説明しなければなるまい。
thin client = シン・クライアント は、文字通り「軽薄な」クライアントである。 実物で例を挙げると、
- TC-Station | シンクライアント端末 | NEC 8番街
大きさのイメージがつきづらいと思うが、通常のPCよりぐっと小さく、弁当箱サイズを想像していただきたい。 - サン・マイクロシステムズ - Sun Ray 270 Virtual Display Client
こっちはディスプレイ一体型。
通常のPCは、CPUやハードディスクなどの主要機能と、ディスプレイやキーボードなどの入出力機能が一体化されている。
一方シンクライアントは、CPUやハードディスクはサーバー側に集約され、クライアント側ではディスプレイとキーボード、そしてサーバーとの通信のみに特化された特殊なボードを積んだ弁当箱サイズのモジュールのみがある。ダム端末という単語を知っている古い人(笑)は、それを思い浮かべてほしい。
シンクライアントの利点については検索すればいろいろでてくるのでそっちに任せる。とりあえず サン・マイクロシステムズ - いま、なぜシンクライアントなのか あたりが短くまとまってる。
日本では、PCの維持管理の手間の削減というよりは、個人情報保護法にともなうセキュリティ強化という理由が多いようだ。例えば大量の顧客情報を扱わねばならないコールセンターのPCがシンクライアントに置き換えられたり。
だが、シンクライアントは企業のためだけではない。家庭向けにも大きな価値がある。
windows98で動く古いPCをいまだに使っている家庭は多い。買い替えに十数万円かかると思うと躊躇するのは当然である。ウィルス対策ソフトの更新を怠っているPCも多い。子供が勝手に導入したWinnyで情報流出事故しちゃいました、なんて事もあとを絶たない。運悪くハードディスクが壊れたら年賀状の送り先データもパーになっちゃいました、そもそも機械は苦手だetcetc...
Yahooメールでメールしてmixiで日記書いてANA Sky Webで飛行機のチケットを予約したい、ただそれだけのためにPCを購入することによって、これだけの手間や心配をかぶらなければならないことのほうがどうかしているのだ。
もしもNTTのOCNとかKDDIのDIONとかYahooBBとかが、ネット接続サービスとあわせてシンクライアントの提供もやるということになれば、その手間や心配の部分は家庭からすべて消え去る。
ワードやエクセルのライセンス料もプロバイダ側が負うのかって、そんなもん家庭にはもはやいらないので有料オプションで別料金扱いにしとけばいいのである。ブラウザ1枚でなんでもできるじゃないか。
コンピュータの管理権を家庭からプロバイダ側に渡せば自由にソフトをインストールできないじゃないかって、そりゃそうだが、子供がおかしなソフトを勝手に入れてしまう心配をしなくて済むメリットのほうが大きいのではないだろうか。繰り返すが、今はブラウザが使えればメールもmixiもデジカメ写真の保存も可能だ。余計な機能ばかりゴテゴテついてる高価なソフトの必要性自体をまず疑うべきだろう。
シンクライアントは、速い。サーバー側は基本24時間稼動である。そのため、PCのようにスイッチを押してOSが起動してさらに必要なソフトが起動してその間アンチウィルスソフトが余計なチェックを入れるためさらに時間がかかって、、、という時間が、必要ない。テレビのスイッチ並みのスピードでやりたい作業に入れる。この利点は地味だが、家庭環境では重要なことだ。寝る前にメールチェックしようと思ったけどPCを立ち上げるのにかかる時間を想像して「また明日にしよう」と思う人は少なくない。
シンクライアントは、安い。なぜならハードディスクもインテルのCPUも積んでないから。企業向けの仕切り価格で3万円以下くらいじゃないだろうか。壊れたら、シンクライアントごと交換してしまうだけ。データはサーバー側にあるのだし。すばらしいメンテナンス性である。もちろんサーバー側はそれなりに金がかかる。しかし、1台のサーバーが複数のシンクライアントにサービスを提供できる(※機種と構成にもよる)ことを考えれば、PCの管理の費用と手間と比べてほぼどっこいだろう。
シンクライアントにはUSB接続口もついているので、デジカメの接続くらいできる。 唯一問題なのは、印刷だ。プリンタの扱いをどうするかだが、シンクライアントを提供している各社はそれなりのソリューションをちゃんと出している。
シンクライアントの家庭への進出は、家庭向けPC市場を崩壊させることになりかねない。しかしそこはスクラップ&ビルドである。 PCを製造販売しているメーカー各社は、その顧客を、家庭ではなくプロバイダに切り替えればいい。消費者向けビジネスはサポートに金がかかりすぎることだし、そのほうがいいのでは?
シンクライアントは、画面の情報をネットワークを介してやりとりしなければならないため、ある程度高速な回線を必要とする。どのメーカーのシンクライアントの紹介を見ても、企業LAN内での活用を想定した話しか載っていないのはそのためである。しかし、安価で高速なネットワーク回線が普通の家庭でも使えるという、世界的に見て実はまれな状況にある日本だからこそ、こんなことも考えうるのだ。

