アイオイクス社とGMOのやっていることは有料リンクというよりは単に検索エンジンスパムである

アイレップ サーチエンジンマーケティング総合研究所所長さんは、かく語りき。

だから、少し前にはてなブックマークなどで上位にエントリーされて話題になっていた「アクセスカウンター埋め込み型リンク」というのは、有料リンクとは呼ばない。あれは、検索エンジンに読ませることのみを目的にしたリンクなので単なる「隠しリンク」と呼ぶものであり、Googleウェブマスター向けガイドラインに明記された通り「隠しテキストや隠しリンクを使用しない。 」に違反するスパム行為であることは言うまでもない。
有料リンク & Google PageRank減点ペナルティを巡るFAQ:渡辺隆広のサーチエンジン情報館 - CNET Japan (2007/10)

一刀両断 (笑)

有料リンクは是か非か?黒にんにくネットとアイオイクス社とGMOで紹介したような、 アイオイクス社とGMOのやっていることは業界用語で言うところの有料リンクと呼ぶべきものではなくて、 単なる検索エンジンスパムでした。 お詫びして訂正いたします。

アイオイクス社 滝日氏の盟友 住 太陽氏がなにか言っている

SEO業界でそこそこ有名な方がなにか言っている。話のすり替えというのはよくあるコトではあるが。

有料リンクなんて小さな問題に過ぎない | 住 太陽のブログ

「リンクバイイング(有料リンク)に頼らざるを得ない業界はある程度限定されていて、 転職情報、引っ越し、美容整形、探偵、保険etcetcが。。。」ということだそうですが、 アクセスカウンターの画像に紛れ込んでいるリンク先として筆者が紹介しているのは 例の「黒にんにく」はもちろん
海釣りの情報らしきサイト
思い切り作りかけのフットサルWeb
といったあたりを最初に紹介してたりするのですがスルーですよねしょうがないね。

あと、「広告依存が強い業界」といったら消費者向けのサービス/小売業界ほとんど全部含まれてしまう気がするのは筆者だけだろうか。

そういえば、過去には

アイオイクス 滝日伴則さん、フィードフォース 塚田耕司さん | 住 太陽のブログ
滝日さんは SEO 業界の最古参の一人で、僕にとっては古い戦友のような存在。非常にシンパシーを感じつつも、一方ではリスペクトしている憧れの人でもあります。

と酒の席での写真をのせつつ、絶賛

筆者的には、こちら↓のほうが問題の本質をよく理解していらっしゃると感じ、同意したい。

外部リンク系SEO スパムの話‐SEM酒場

(中略)ただ、同じグレーでも、限りなくクロに近いダークグレーから、多少の後ろ暗さがある程度の軽い灰色まで、実態はさまざま。クライアントにリスクも含めて説明しているかどうか、善意の第三者を巻き込んでいないかどうか、というのは判定基準のひとつだろう。

有料リンクは是か非か?黒にんにくネットとアイオイクス社とGMO

黒にんにくネット http://www.96229.net/

200710-ioix-010.png

これはなんだ? いや確かに、最近ニンニクニンニク言ってる健康食品のテレビCMとかはよく聞く。 なにかのブーム?

ということで今回はとある企業が張り巡らす強力なリンク網とその構築方法についての話である。

はてさて、この謎のwebサイトはなんなのだろう?

  1. 「作りかけのサイト」である。これから肉付けをしコンテンツを充実させてゆく。
  2. 「企画、制作の途中で放棄されたサイト」である。企画倒れでお蔵入りとか制作会社倒産とかで、ドメイン登録料やレンタルサーバ代金がある程度前払いされていたので製作途中のサイトだけほったらかしのまま生きている。
  3. 「閉鎖されたサイト」である。もともとは、もっと普通のWebサイトらしくコンテンツがあったのが、何らかの理由により閉鎖を余儀なくされた。しかし完全に閉鎖するのがしのびなくて本当に申し訳程度にキーワードを並べるだけの状態になってしまった。
ということが(それぞれ話にやや無理があるが)考えられなくもない。ちょっと調べてみよう。

http://web.archive.org/web/*/http://www.96229.net/(画像こちら) を見てみたものの、このサイトの存在が最初に観測された2007年1月当時(画像こちら)から今のままのようだ。2007年3月ごろもそう。 したがって「3.閉鎖されたサイト」という可能性は低い。はじめからこの状態なのだ。

では、次のような検索をしてみよう。

Yahoo!検索 - link:http://www.96229.net/ (画像こちら

えっ!?2500件も引っかかるんですけど!? 作りかけのサイトでこれだけのリンクを集める(注:専門用語では被リンクと言います)ことができるとは! 神業である。Googleツールバーがページランク「2」を示しているのも納得。

では、この不可思議なサイトに対し、どんなサイトから、どのような形で、リンクされているのだろう? 上で示したYahoo検索の結果を、さしあたり上から順に追っていこう。

にゃんこと一緒

何の変哲も無い、よくあるペット愛好家のブログだ。猫の写真ってなごむよなぁ。

さて、その画面の右上あたりに、こんなのがある。
200710-ioix-050.png
どこのWebページでもよく見かける、なんの変哲も無いアクセスカウンターである。

ではその周辺のコードを追ってみよう。(ユーザー識別番号らしきものは*で塗りつぶしてます)

<script language="javascript">
var data, p;
var agt=navigator.userAgent.toLowerCase();
p='http';
if((location.href.substr(0,6)=='https:')||(location.href.substr(0,6)=='HTTPS:')) {p='https';} data = '&r=' + escape(document.referrer) + '&n=' + escape(navigator.userAgent) + '&p=' + escape(navigator.userAgent) + '&g=' + escape(document.location.href); if(navigator.userAgent.substring(0,1)>'3') {data = data + '&sd=' + screen.colorDepth + '&sw=' + escape(screen.width+ 'x'+screen.height)};document.write('<a href="http://www.counter-hosting.com" target="_blank" >'); document.write('<img border=0 hspace=0 '+'vspace=0 src="http://www.counter-hosting.com/counter.php?i=*****' + data + '">'); document.write('</a>');
</script></th>

</tr><tr><td width="100" align="middle" valign="top"><a href="http://www.sougolink.com/" target="_blank"><img src="http://www.sougolink.com/sougo.gif" alt="相互リンク.com" border="0"></a><a href="http://www.counter-hosting.com/" target="_blank"><img src="http://www.counter-hosting.com/logo2.gif" alt="ブログパーツ カウンター" border="0"></a><a href="http://www.96229.net/" target="_blank"><img src="http://www.96229.net/garlic.gif" alt="黒にんにく" border="0"

></a><a href="http://www.umituri.com/" target="_blank"><img src="http://www.umituri.com/fishing2.gif" alt="アジ釣" border="0" ></a>
※念のため言っておくがhttp://www.96229.net/という文字列があるのはここだけで、他の部分には見当たらなかった。

前半は、純粋にアクセス数を表示するためのコード。JavaScriptがアクセスカウンタのサーバ(この場合はwww.counter-hosting.com)にアクセスして数値が書いてある画像を呼び出している。ちゃんとhttp/https両方に対応しているところなんか、芸が細かい。

問題は後半の赤字の部分。「黒にんにく」とか「アジ釣り」とかっていったいなんのことだ?

実はこのアクセスカウンター、わかりやすいように拡大すると、次のようになっている。
200710-ioix-060.png

  • AパーツがJavaScriptで呼び出すアクセスカウンター画像。http://www.counter-hosting.com/へのリンクでもある。
  • Bパーツは同じくhttp://www.counter-hosting.com/へのリンク。
  • Cパーツがhttp://www.96229.net/つまり謎の黒にんにくサイトへのリンク。
  • Dパーツがhttp://www.umituri.com/へのリンク
先ほどのソースコードとも照らし合わせてみよう。「P」のalt属性が「黒にんにく」で「R」が「海釣り」?それになんで「PR」の「P」の画像はhttp://www.96229.net/garlic.gifで、「R」の画像はhttp://www.umituri.com/fishing2.gifなのか?いや別に画像ファイルをどこのサーバに置こうとどんなファイル名にしようと作る人の勝手とはいえツッコミどころ満載である。芸が細かい。

以下は、すべて同様である。

200710-ioix-070-01.png

ひまわり畑

普通のブログ。子宝に恵まれますように。
P画像のリンク先: http://www.96229.net/
R画像のリンク先: http://www.futsal-web.com/

200710-ioix-070-02.png

言葉は今も。。。

学生さんのブログ。どこにアクセスカウンターがあるのかと思ったら画面の一番下に設置されていた。 もちろん誰かに見られることを期待してそこに置いたのではなく、 自分しか見ないつもりだからそこに置いたと思われる。 なお、カウンタの画像がうまく取れてない理由は不明。パケット追おうかと思ったけど面倒なのでやめ。
P画像のリンク先: http://www.96229.net/
R画像のリンク先: http://www.umituri.com/

200710-ioix-070-03.png

THREE ARROW - livedoor Blog(ブログ)

クルマ好きの方(?)のブログ。 左のとおり、ブラウザによっては問題のリンクの部分が微妙に隠れていたりしている。 これは仕方がない。JavaScriptでカウンタ画像を呼び出して表示するというコードの性質上、 こうなってしまいがちである。(ちゃんとsizeあるいはindex指定してデザインしようと思えば可能だが、コードが長くなると思われる)
P画像のリンク先: http://www.96229.net/
R画像のリンク先: http://www.detox-web.com/skin-3.html

200710-ioix-070-04.png

江藤家の食卓

少女マンガ「ときめきトゥナイト」のファンの方のページ。
P画像のリンク先: http://www.96229.net/
R画像のリンク先: http://www.umituri.com/

200710-ioix-070-05.png

大蔵山造形研究所

彫刻の設計、制作、施工をする会社のサイト。つまり彫刻家さんのようだ。
P画像のリンク先: http://www.96229.net/
R画像のリンク先: http://www.umituri.com/

こういうリンクの仕方/され方をしているのは「黒にんにく」サイトに限らない。

この調子でいくらでも見つかる。探し方は簡単である。 などなど。探せば探すだけ見つかりそうな勢い。つまり上で紹介したすべてのサイト/ドメインは氷山の一角に過ぎない。

では、上にあげた愛猫家さんや学生さんや彫刻家さんその他の方々は、

  1. 上の「黒にんにくサイト」を自発的に発見し、あるいは誰かに教えられて、
  2. 「このサイトすげえ!」と思ってのことか、誰かにそう頼まれてのことか、
  3. 「P」とか「R」とか書いた7x10ピクセルもの小さな画像、しかも自作でなく他のサイト上のものをわざわざ教えてもらって、
  4. その画像を黒にんにくサイトへのアンカーリンクにした
ということであるのか?それとも、
  1. 自分のホームページのアクセス数を簡単に知りたいと思い、
  2. 無料のアクセスカウンターサービスを適当に探して、
  3. そこで「これを貼ればアクセスカウンタができるよ」といわれたコードを素直に自分のサイトにコピー&ペーストしただけ
の、どちらなのかは明白である。

もちろん、「アクセスカウンターなのになんで転職サイトとか株価のサイトとか、ましてやわけのわからない『黒にんにく』サイトへのリンクタグがあるんだ?」と、きちんとソースを見て疑問に思ったユーザーだっている。 滋賀県立米原高等学校公式WEB のアクセスカウンタは、次のようになっている
200710-ioix-090.png
さすが学校の中の人。おかしいと気づいたようだ。

そろそろ核心に近づいてきた。

  • 他の画像に溶け込むように隣りあっているたった7x10ピクセルの画像に埋め込まれたアンカーリンクに気づいてそこにマウスを合わせクリックするユーザーがどれだけいるというのだろうか?
  • つまりこれらはすべて人間によるクリックを期待するものではなく、検索エンジンがクロールしてくれることを期待するためのアンカーリンクではないだろうか?
(と考えるのは筆者個人の考えですよ一応お断りしておきますが)

さて、上にあげた黒にんにくサイトとアクセスカウンターサービスは、 サイトの運営会社/団体が不明である。 サイト上のどこをどう見てもどんな企業/団体がやっているのかさっぱりわからない。

カウンターホスティング : よくある質問 より。

Q.誰が運用しているのですか?
A.カウンターホスティングは個人のクリエイターグループにより無料運営されています。有償化の予定もありませんし、(以下省略)
なんだかぼやかしている。

でも幸か不幸か、whois情報にははっきりとした証拠が残っている。
http://www.networksolutions.com/whois/results.jsp?domain=96229.netより↓ (画像こちら

Domain name: 96229.net

Administrative Contact:
   IOIX, Inc.
   Tomonori Takihi
http://www.networksolutions.com/whois/results.jsp?domain=counter-hosting.comより↓
Domain name: counter-hosting.com

Administrative Contact:
   IOIX, Inc.
   Tomonori Takihi

イオックス?いや。アイオイクスである。

サーチエンジン市場激変、専門家はこう見る:コラム(終了) (CNET Japan 2004/6)
(中略)
検索エンジン業界で活躍するSEO/SEMサービス会社の各氏にお集まりいただき、YahooやGoogleの広告戦略、各検索エンジンの今後の動向などについて語ってもらった。
(以下、4人のコメンテータの紹介が続く)
滝日伴則 Tomonori Takihi
アイオイクス 代表取締役
2002年2月、SEOのコンサルティングを行うミクスド(現アイオイクス)を設立。代表取締役に就任。南カリフォルニア大学映画学部卒。
どうやらSEOの「専門家」の方のようだ。

ところで、Google上では次のような説明がある。

ウェブマスター向けヘルプ センター - SEO とは何ですか。 Google では、自分のサイトと Google との相性を良いものにするサービスを利用することを推奨していますか。より:

隠し立てたり、何をしようとしているのかはっきり説明しない会社には用心してください。

不明なことがあれば、説明を求めてください。 SEO が、誘導ページや使い捨てのドメインなどを使用して、人をあざむくようなコンテンツをユーザーの代わりに作成した場合は、そのユーザーのサイトが Google インデックスから削除される可能性があります。結局、どの業者を選ぶかはユーザーの責任になりますので、その業者が契約者をどのように支援するつもりなのか正確に把握しておくことが大切です。
ウェブマスター向けヘルプ センター - ウェブマスター向けガイドラインより:

検索エンジンでの掲載位置を上げるための不正行為を行わない。ユーザーや、ランクを競っているサイトに対して自分が行った対策を気軽に説明できるかを判断の目安としてください。その他にも、ユーザーにとって役立つかどうか、検索エンジンがなくても同じことをするかどうか、などのポイントを確認してみてください。

以上を踏まえ、SEOを専門として活動していらっしゃるアイオイクス社にぜひ質問したいことがある。

「被リンクを集めること」がSEOの重要な原則の一つであることはもはや筆者が説明するまでも無い。 ということは当然、URLをコロコロ変えてはいけない。ましてや、複数のまったく異なるドメイン上で同じサービスを同時に提供するというのはこの原則に大きく反する。ところが、筆者が拝見しただけでも、

といった形で「無料のアクセスカウンター」というまったく同種のサービスを 10個ものドメインで別々に運用していて、しかもそれらすべてサイト上においてアイオイクスの会社名を一切出さない、その真意やいかに?

なお、「カウンターホスティングの新規登録は、ユーザー数が増加したため、現在別のサーバーに新たにインストールしたカウンターホスティングにて行っています。」といった説明がここにある

「ユーザー数の増加に対応するために別サーバーにするにはドメインも丸ごと別にしなきゃならないんです」という言い訳をするプログラマーが万一もしも筆者の近くにいたら即座にクビにする。100万歩譲って「下位にサブドメイン切ってサーバー割り当ててどうの」とかいうんならともかくも。ユーザーが増えたくらいの理由でドメイン名丸ごと変えてたらSEOのエの字もあったものじゃない。一つのドメイン名で万単位のユーザーを抱えてるサイトはいくらでもある。それこそyahoo.co.jpとかmixi.jpなんてどうすんだ(笑)

そういえば、ブログパーツ.com - 日本初のブログパーツポータルサイトアクセスカウンターのジャンルの一覧ページを見てみると、先ほど上に並べたドメインのいくつかが並んでいる。もちろん他のまったく別企業のサービスもあるけど。 そしてブログパーツ.comの「会社概要」ははっきりとアイオイクス社へのリンクになっている。でもアクセスカウンター各サイトにはアイオイクスのアの字も見当たらないなあ。

小石を隠すには砂利の中が適していると言ったのはナポレオンだったっけ?(←ウソ)。

ところで、件のアクセスカウンターのサイトには、

といったページもある。 これらのページのコンテンツのどこに「コンテンツ」と呼ぶに耐えうるものがあるのか? 筆者にはさっぱり理解できない(笑)。わかる人にしかわからない暗号のサイトなのだろうか?

つまり、カラクリはこうだ。

一般ピープルの皆さんのサイトに貼られたアクセスカウンタの数値の直下の画像がアクセスカウンターサービスサイトのトップ、たとえば http://www.counter-hosting.com/へのリンクになっている。そしてそのトップページの一番下が次のようなことになっている。
200710-ioix-110.png
なんともわざとらしく見づらい色使いである。 ここから先ほどのこういうページへとつながっていくわけだ。 ページの各部にあるのリンク先は(下図参照)。。。つまりそういうことである。

200710-ioix-120.png
  • Aのリンク先: http://www.insweb.co.jp/ (自動車保険一括見積もり by SBIホールディングス株式会社)
  • のリンク先: http://type.jp/ (転職サイトの@type)
  • Cのリンク先: http://doda.jp/ (転職サイトのデューダ。ちょっと前に引退した新庄が「dodaしました」とかテレビCMでいってたね。)
  • Dのリンク先: http://www.beautychannel.jp/ 運営元:GMOマーケティング社(後述)
  • Eのリンク先: http://www.takanoyuri.com/ たかの友梨ビューティクリニック
こうして「リンクの価値」が束ねられ、ある特定の企業のサイトに「供給」されてゆく。

同じサービスを提供するサイトを、たくさんの異なるドメイン上で別々に運用する理由とは、

  • 「リンク先にしたいサイト」に対して、ひとつのドメイン上からリンクが貼られるよりは複数の異なるドメイン上からリンクが貼られているほうがSEO効果が高い
  • 検索エンジンの中の人に発見されて「何らかの理由により」ドメイン丸ごと検索対象除外されたときの被害を食い止めるためのリスク分散
という気がしないでもないというのはあくまでも筆者の個人的意見である。(笑)

「アクセスカウンターくらいのサービスならオレにも作れそうだ!一発当てて儲けてやるぜ!」とか思ってしまう学生さんとかいっぱいいそうだなあ。。。

ところで、アイオイクス社は2007年6月にGMOインターネットと提携して GMOマーケティング株式会社なるものを設立したようだ。そのサービス内容はというと

だそうである。たとえば1ヶ月ほど前(2007/9)に開始したばかりだという http://www.shika-kyousei.net/ ではあるが、 http://web.archive.org/web/*/http://www.shika-kyousei.net/ (画像こちら) によると2006年1月ごろにはサイトが存在していたことがわかる。 ドメインの持ち主はもちろんアイオイクスである(whois情報こちら 画像こちら)

休眠状態に近い古いドメイン上のサイトのリニューアルなのに「サービス開始致しました」とうたうのはWeb業界に限らずよくあることなので武士の情けで見逃してあげるべきだろう。パチンコ屋なんていつだって「新装開店」だしね。

...という考え方もあるが、あるいは「下ごしらえ状態で意図的に休眠」なドメイン/サイトであったと考えるとどうだろう?

最初の「黒にんにく」サイトのように。

「下ごしらえ」するのは何もサイトの「中身」だけとはかぎらないのだから。 下ごしらえしておいた材料をどのように料理するかは実際注文を受けてから考えるんでも遅くはない。

さて、上に引用した「ロングテールメディア」をうたっているサイトのリンク元を調べてみよう。

例によって例のごとくな手法が目につく。

なるほど確かにロングテールなメディアだ (笑)

数が多すぎて、いや、ロングテールすぎて、もう疲れてきたので紹介は3つだけにしておく。

200710-ioix-150-01.png

黄金崎クリスタルパーク

赤丸でしるしをつけた部分がhttp://www.beautychannel.jp/へのリンク。それ以外の部分もリンクになっており、実は合計4,5個ものリンクが埋め込まれている。

200710-ioix-150-02.png

上郷小学校

画像の「P」の部分がhttp://www.shika-kyousei.net/へのリンク。

200710-ioix-150-03.png

宮城県ソフトバレーボール連盟 公式ホームページ

これはめずらしく(?)「P」と「R」の画像は分解されていない。あわせてhttp://www.lasik-web.net/へのリンクになっている。

要するにGMOマーケティング社(とその親会社のGMOインターネット)の語るロングテールとは、Webページを見る側の人どころかWebページを作ってる(=リンクを貼ってる)本人ですら、その存在あるいは目的に気づかないような、たった数ピクセルの小さな画像に埋め込んだリンク網のことを言うらしい。 まあそれ「だけ」だとは言いませんが。

ウェブニーテンゼロ、ロングテール、とかけて、芸術と解く。そのココロは?

言ったもの勝ちである。

さて、今回紹介した無料アクセスカウンタ作戦はもう何年も前から行われていて、実は業界では有名な話である。やっているのもアイオイクス社とGMOだけではない。 なお現在のSEO主力兵器は別な方向に移っているようだが、それについてはまた今度にしたい。

長くなった。そろそろまとめに入ろう。

ともかく、ここまで来るともはや、Webページ間のリンクの質や量によってそのWebページの人気度を測るという検索エンジン側の理論が破綻してるとも考えられるから、これはもう、やった者勝ちなんじゃないの? という考え方もある。

アクセスカウンターというサービス(付加価値)を提供しているのだから、その対価として「リンク」をもらっていると考えれば、おかしなことだとは言い切れないのでは?という話には一理ある。

故意にリンク貼ったくらいでその意図どおりに検索結果順位が変動しちゃうくらいなら、そんな仕組みになっている今の検索エンジンのほうがショボイだけの話じゃないか、という話にも一理ある。(これは前にも書いたけど)

そもそもなんでいつまでも検索エンジン(主にGoogle)の「オレ様ルール」に追随し続けなきゃならないんだ? という考え方もある。

日本のインターネット部を目指して!とかいうスローガンをかかげるGMOインターネット社の言う「ロングテール」の実体はこういう有様であり、これが東証一部上場企業。 こんなんだからweb業界自体がオッサンたちに「虚業」とかバカにされて、そのたびに梅田望夫氏あたりが激しく反論し、そんなことしてる間にもせっせと儲けてるのは相変わらずGoogleとYahooだけという状況が続くのかと思うと、悲しいね。ロングテールの恐竜も自分のシッポを見て苦笑い。 ...というのは筆者の個人的感想。

いずれにせよ「選択」をするのは「ユーザー」である。 そして検索結果の順位を考えるのは検索エンジンである。 (ユーザーとは何か?という深淵な議論はここではしない。)

「特定のアクセスカウンターサービスへのリンクorJavascriptコードの前後10数行のアンカーリンクはリンクの価値の評価を下げるor無視する」さらに「一定サイズ以下の小さな画像を用いたリンクは要注意」といったアルゴリズムを検索エンジンに組み込むことは、ページランク計算のための高等数学の実装に比べれば、そう難しくはないだろう。

グーグル、SEO"有料リンク"対策に新ポリシー - 販売サイト側へのペナルティ発動へ:渡辺隆広のサーチエンジン情報館 - CNET Japan (2007/10)

(中略)
つまりGoogleは特定のリンクパターンを持つサイトを検出してそれを人の目でチェックしていると推定されるわけで、そのリンクパターンをどの程度のレベルで検出できるかにかかっている。リンク販売側がGoogleに見つかりにくいようにちょっと工夫したものでもきちんと検出しペナルティが与えられるような、そんな現実が広がればGoogleの目を盗んでリンクを販売し続けようなんてインセンティブは低下するだろう。
(中略)
一方でリンク検出フィルタリングをかいくぐって、"上手に"リンクを販売し続けるサイトも存続し続けるだろう。

結果として、「選択を」下したユーザーは自分のサイトがサイバーエージェント、Googleの逆鱗に触れてインデックスより削除みたいなことに巻き込まれてしまっても、あるいは完全削除まで行かなくとも大幅な順位ダウンに陥ってしまっても、そしてもう立て直せなくなってしまったとしても、あわてふためいて後悔してはいけない。 あなたがそれを選択したのだから。順位を考えるのは検索エンジンなのだから。

魑魅魍魎の跋扈するSEO業界。そんななかでも筆者がココはと思う、株式会社アイレップの中の人(=実は上のCNetの記事を書いてるのと同じ人)による大変興味深いブログ記事を引用しつつ、この記事を終えよう。

そのSEO料金は、何のために払っているのですか? :: SEM R (2006/3)

- SEO会社に対して支払うお金は何に対する費用か。「上位表示すること自体」、それともウェブを検索エンジンに最適化するためのコンサルティング費用?-
(中略)
(A)も(B) も昔からよくある典型的な例だ。「SEOのコンサルティング、上位表示のためのアドバイスをします」と謳っていながら実際には契約期間中だけ、お金を支払ってくれた代償としてリンクを張り、契約が終了すればそのリンクを削除する。しかし、SEOを依頼した側はそもそもそういったことを望んでいたのだろうか?「リンクのレンタルします」と明言していればいいが、そんなことは全く知らさないケースが大半だ。

ここで「SEO会社と契約している限りリンクが張られているのだから問題ない、それがSEO会社の役割でいいではないか」と考えてしまう人がいるかもしれないが、そこで納得してしまう人は要注意だ。あなたはわざわざコストパフォーマンスの悪いSEOで納得していることに等しいのだ。

see also:

有料リンクは是か非か? find-jobとかエンジャパンとかネタフルとかまぐまぐとかウノウラボとか

有料リンクってどうなのよ?という、SEOにまつわる最近ホットな話。 結論から先に言うと、リンクを売るのも買うのも、やめておいたほうがいい。 あくまでも個人的意見だけど。

まず、そもそも「有料リンク」の定義があいまいではあるのだが、筆者の理解する限りは次のようなものである。

  • リンクを張って欲しいサイトの中の人=主に商用の大手サイトの運営者=が、リンクを張ってくれる人=そこそこ人気のブログサイト等の持ち主=に対して「うちのサイトにリンクを張ってください」と頼む。(逆方向ももちろんある)
  • そのときに金銭的な契約がもちろんある。月額いくら、とか。
  • ブローカー(主に中小の広告代理店)が介在している場合も多い

っていうだけではこれまでにもよくある普通のネット広告である。ここで言う有料リンクとは、さらに次のような要素がある。

  • バナー画像は使わず、基本的に文字だけ。
  • 普通のネット広告システムだと、リンク先となるURLは広告主の目的のサイトへの直リンクではなく、広告代理店あるいは自社システムによる露出数/クリック数測定システムのURLを設定するのが一般的。
  • しかしここでいう有料リンクはそうではない。<a href="広告主のサイトのURL">広告主でっす!</a> というようなごくごく単純なアンカーリンクのみで構成される
  • 要するに、人間による直接クリックを期待するためのものではなく、検索エンジンがそれを「被リンク」とみなしてくれることを期待するためのものである。結果としてリンク先=広告主のサイト=の検索結果順位が上がる。
  • 例えば、<a href="http://www.example.com/">転職</a>という形のリンクがあちこちのドメインから張られていれば張られているほど、検索エンジンは「それは転職というキーワードに関連するサイトであり、かつ、人気があって良質なサイトだ」と判断し、転職というキーワードで検索されたときの検索結果の順位の上の方にhttp://www.example.com/を押し上げる効果がある。

まだイメージがつかないという方は、たとえば Yahoo!検索 - link:http://www.find-job.net/ (2007/10現在の画像こちら) こんなふうに検索してみた結果出たサイトを上から20個ばかしそれぞれアクセスしてみよう。 ある程度目の利く人であれば何が起きているのか気がつくだろう。 「有料リンク」と従来の「バナー広告」の違いもわかってくるはずだ。

さらに図入りで説明。例えばネタフル というサイトがある。そのトップページはもちろん他のほぼ全てのページ上にも、次のような広告が掲載されている。

赤でマルをした部分は、たとえば次のようなアンカーリンクになっている。

<a href="http://www.find-job.net/tenshoku/" target="_blank">転職</a>

同様にウノウラボ Unoh Labsにおいてもトップだけでなくほぼすべてのページに某求人情報サイトへのテキストリンクが張られている。
200710-findjob-unoh.png

ネタフルもウノウラボも両方ともテキストリンクだけでなく画像バナーもあり、そのリンク先は http://www.find-job.net/my/re.cgi?(あとはサイト毎に違うパラメータ)になっている。そこを踏むとリダイレクトされて最終的にhttp://www.find-job.net/にジャンプする。ごく一般的なクリック観測システムである。普通のテキストのアンカーリンクにはそのシステムを挟まないのは、何かうしろめたいこ(以下自粛)。

ちなみに、F's Garageというサイトでは全てのページの最上部にネタフル等と同様のテキストリンクがあるのみである。画像バナーなしのパターンもあるようだ。

まぐまぐもかなり手広くて、たとえば水彩画に関するとあるメールマガジンのバックナンバーのページにもこんなのがある。
200710-findjob-mag2.png
赤丸の部分がそう。ソースは次のようになっている。

<a href="http://employment.en-japan.com/" target="_blank">転職</a>
/ <a href="http://consultant.en-japan.com/" target="_blank">転職サイト</a>
/ <a href="http://haken.en-japan.com/" target="_blank">派遣</a>
/ <a href="http://honkibaito.en-japan.com/" target="_blank">アルバイト</a>
/ <a href="http://gakusei.enjapan.com/" target="_blank">就職</a>

水彩画と転職サイトとがどう関係あるのやら。 その上の部分はovertureが出している自動コンテンツマッチ型広告である。水彩画との関連性を察知して書画商品に関連する広告が自動表示されているのに比べるとそのコントラストが少し笑える。 当然ながら、まぐまぐで発行されるほぼ全てのメールマガジンのバックナンバーページについて同様に有料リンク(と強く疑われるもの)が表示されるようになっている。

ともあれ、これらはすべて「検索」がWebサイトの集客に大きく影響してしまうという時代背景に生まれた新手の広告手法である。もちろん問題もあり、検索エンジンを提供する側は頭を痛め、対策を急いでいる。

中でも筆者はこのニュースに注目したい。

グーグル、SEO"有料リンク"対策に新ポリシー - 販売サイト側へのペナルティ発動へ (渡辺隆広のサーチエンジン情報館 - CNET Japan 2007/10)

(中略) Googleもこれまでの対策が全く意味ないことは理解していたのだろう。今回、新たなポリシーを公開した。それが「リンク販売側」に対するペナルティだ。 Search Engine Landの記事Official: Selling Paid Links Can Hurt Your PageRank Or Rankings On Googleで明らかになっている点は次の通りだ。
  1. 新たなポリシーとして、サイト販売側に対するペナルティを課す
  2. 具体的には、販売サイトの削除、またはPageRankスコアの低下
  3. 無差別にリンクを販売していたThe Stanford DailyのPageRankスコアは、9から7に下がった
  4. PageRankスコアの低下は完全にアルゴリズムで行っているのではなく人間の審査を入れている
(途中省略)
ちなみに日本の場合、単純なものが多いので今回の新ポリシーが日本でも適用されると結構な数のサイトのPageRankが下がると予想される。リンク仕入れ元として使えなくなるサイトの種類によっては、いままで強固にキーワードで上位を固めていたサイトが突然急降下するかもしれないし、成果報酬型SEO サービス提供事業者の中にも困ってしまう会社が出てくるかも知れない。

遅かれ早かれ、検索エンジン側はそういう動きに出るだろうとは思っていたが、思ったより早かった。

なお、この「ネタ帳」では、従来型の画像によるバナー広告なら歓迎だし実際過去に掲載したこともある。もちろんGogleアドセンスなども。有料リンクの掲載をもちかけられたことがあるかどうかについてはノーコメント(笑)。ただ、もしももちかけられたとしても、きっと断っていただろう。

Google神!Matt Cuttsがやるなということはやるな!と妄信してそうしようというわけではない。現状のwebによくない影響を与えるかもしれない事柄に金銭目的で積極的に加担するのは、Webで飯食ってる者としてあまり気が進まないという理由である。

検索エンジン会社の中の人の手による審査といっても限界があるし、それこそ単なる「リンク集のページ」のような罪もなさそうなページとの区別をどうするかという問題もある。なによりも、「故意にリンク貼ったくらいでその意図どおりに検索結果順位が変動しちゃうくらいなら、そんな仕組みになっている今の検索エンジンのほうがショボイだけの話じゃないか」という意見には一理ある。

ただ、自分がどう考えようともどう開き直ろうとも、実際にペナルティを食らって自分のサイトが検索にひっかからなくなったとき、困るのは結局自分である。悲しいけどコレ現実。それこそ、サイバーエージェント、Googleの逆鱗に触れてインデックスより削除 (2006/3) みたいなことになってから大慌てというのも醜態というものだ。

サイバーエージェントの件のときはサイバー側でコンテンツを修正することで数日程度で対処できたらしいが、今回は広く浅いリンクネットワークの構築という手口である。コンテンツを管理する利害関係者が多すぎる。ペナルティを食らったら最後、修復には相当な時間と手間がかかってしまうかもしれない。

なお、Googleでは従来からある検索エンジンスパム報告フォームのほかに、有料リンクを報告するための専用フォームも別途設けられている。
200710-findjob-googlespamform.png

さあ、ライバルのサイトを報(以下自粛)

探し方は、たとえば こういうふうに「link:リンクを買う側かもなあと思うサイト」という特殊検索をするだけ。 特殊コマンドの使い方はyahooのヘルプにもある。

see also:

MacOS9でmixiが見れなくなったという人のための古いmozillaのありか

昨日の記事の件で、MacOS9でmixiできなくなった妹が泣いてますけどそれでも仕方がないとでも?!という涙と怒りがいりまじったお便りをいただいた。いやですからお気持ちはわかりますがメールの宛て先間違ってますよ、と言いたいところではあるが。

しょーがない。探しましたよ。Mac OS 9な古いマックでも今のmixiがなんとかまともに見れるかもしれないブラウザ。あくまで「かもしれない」なのでそこんところご理解ください。

http://ftp.mozilla-japan.org/pub/mozilla.org/mozilla/releases/mozilla1.2b/mozilla-macos9-1.2b-full.bin

FireFoxがまだFirefoxではなくMozillaと呼ばれていた頃のものである。日付は2002年10月。古っ!

古いブラウザはいろんなバグやら脆弱性がある場合が多いので積極にはお勧めはできない。 また、古いブラウザを集積しているサイトは探せばいくつかあるのだがあやしげなのも多い。 その点上のURLはmozilla-japan公式サイトなので信頼性は高い。 なお、ほかのバージョンもここにあることはあるが探すのがめんどい。

筆者の手元にはOS9なMacはさすがにもう無いので未検証。動作確認情報を待つ。

東京マラソンの「当選/入金」のページのURLがセキュリティ的に微妙な件

非常に興味深いタレコミをいただいた。 人気殺到で参加は抽選(倍率5倍前後)の東京マラソン2008に申し込んだところ、「当選しました!」というメールが届いたそうだ。もちろんフィッシングとかそういうんじゃなく本物の当選メールである。

で、入金支払い用のURLというのがメールに書いてあるのだが、それが次のようなものだったそうである。

https://my.runnet.jp/tokyo_marathon_payment/index.php?id=dG9reW9fOTk5OTk5OQ%3D%3D
※上のパラメータはもちろんダミー。値だけ変えて書いとく。

見る人が見ると一発で「あやしい」とわかるパラメータである

では、「dG9reW9fOTk5OTk5OQ==」(「%3D」はURLデコードすると「=」なので)をbase64でデコードしてみる。
tokyo_9999999
予想通り、情報を隠避する技術ではなく情報を可逆置換する技術(base64)を用いて情報を隠避しているかのように見せかけているだけ。暗号化にまるでなってない「まやかし暗号」である。つまり、上のURLは
https://my.runnet.jp/tokyo_marathon_payment/index.php?id=tokyo_9999999
※数値はもちろんダミー
というのと同意味である可能性が限りなく高い。 タレコミ者いわく、数字の部分は「申し込み番号順らしき数値だった」とのこと。もしもそうだと仮定すると、申し込み番号は容易に予測可能であることを意味する。

なお、上のようなURLにアクセスすると、画面上で姓と名をカタカナで入力することが要求され、正しく名前を入力すると自分の住所氏名が表示されたそうだ。そこで自分の情報であることを確認して、コンビニ払いorクレジットカード払いのための情報をフォームに追加入力して、支払い完了、というフロー。

つまり、申し込み番号と姓名(カタカナ)が一致しないと申込者の情報は表示されない=他人の情報を見るにはその人の姓名と申し込み番号の両方を知る必要がある。そういうことから、個人情報がダダ漏れということにはつながらないが、セキュリティ的に言って微妙である感は否めない。

高木氏あたりのお話を待ちたいところである。 (あれ?海外出張中ですか。。。)

少なくとも、すぐバレる&バレると恥ずかしいコードであることだけは確かだ。こういうコーディングをする人&それを発注しかつ受け入れを担当した人はそれをまずキモに命じていただきたい。飲み会の出欠管理くらいならともかく、東京マラソンクラスのイベントともなると期間限定のサイトだからという言い訳は通用しない。恐い都知事に怒られてもしーらない。

mixiのデザインのリニューアルに対するallaboutの「専門家」陣のツッコミがなんだかなあな件

今月はじめにmixiのデザインがリニューアルされた。 デザインの中身そのものについての話もそうだが、 allaboutというサイトでの専門家の方々のツッコミもまた別な意味で話題を呼んでいるらしい。

とりあえず先に、mixiデザインリニューアルそのものに関する筆者の個人的なコメント。

ぱっと見で

  • 表面だけのぱっと見レベルでは大して変わってないじゃんというのが個人的感想。
  • もともと淡い色使いだったのが今回さらに淡さを増したような気がしてメリハリがなくて見づらいという話はわかる気がする。特に色弱の人にはちょっとつらいのかも。
  • いずれにせよなんか見づらくなった!?とかいう話は1週間もすればみな慣れてしまうレベルの問題でしかないだろう。

ページの横幅の拡張について

  • よくよく調べてみると、2006年2月のリニューアルでの横幅拡張の件のときに既に900px前後になっていたのが、今回で950pxになっただけである。
  • つまり今回特別に大きく横幅に変化があったわけではない。しかしそもそも論として、1024ドットのディスプレイでブラウザウィンドウ最大化が前提というのが反発を招きやすいのは今も昔も変わらない。
  • 未だに800x600の古いノートPCを後生大事に使っている人もいるし、1024x768以上のディスプレイであっても視力の悪い人はあえて800x600に設定して使っていることがある。 そもそも筆者は「ユーザーのパソコンの画面はユーザーのかなりプライベートな空間である」と考えている。そこに土足で踏み込むようなブラウザサイズ調整の強要はやめたほうがいい。

CSSデザイン化とJavaScript積極活用

  • 今回のリニューアルの目玉はこれである。ぱっと見た目がそこまで大きく変わったわけではないのにシェアが小さくかつ古いOS(MacOS9等)やその搭載ブラウザでデザイン崩れや動作不良が発生したのはこれが原因。古いブラウザでCSS仕様の実装が不完全なのはよく知られた事実であるし、JavaScript実行エンジンの実装の違いやそのバグの種類についてもしかりである。
  • CSSを用いつつタグにid属性やclass属性をきっちり指定しておくのもJavaScriptとの連携の上で重要であることから、今回のリニューアルは今後の機能追加のための布石というか基礎工事のやりなおしとも言える。
  • これまでもmixi画面上でJavaScriptはかなり使っていたようだが、今回見たところ、prototype.jsが導入されたようだ。これはおそらく今回が最初だと思われる。
  • 汎用ライブラリとしてはかなりの老舗でありいろんなサイトで導入実績のあるprototype.jsといえど、完全なクロスブラウザ(ブラウザが違っても同じ動作をさせるテクニックの総称)は難しい。いや別にクロスブラウザを簡単に実現する目的だけのライブラリではないけれど。しかしながら、こうした汎用ライブラリを使わなければ今後の開発効率の向上が望めないのも確かである。 prototype.jsのどの機能がいまのmixiの画面のどこでどんな風に使われているかまでは追ってないのでこれ以上はなんともだが。
  • いずれにせよある一定水準を下回った少数派を切り捨てるのはビジネスの世界ではよくあることである。「MacOS9でmixiがおかしくなった!」といっている人は一体なんのブラウザを使っているのだろう?まさかとは思うが標準添付されていたIE5.xのままなのだろうか? もしもそうだとすれば、それもサポートしろというのは言うほうがワガママすぎるといわざるを得ない。 Mac用のIEは2003年6月に開発停止、2005年12月にサポートも完全停止している。 文句はアップルとマイクロソフトに言いましょう。
  • ちなみに、素人さんでも「スゴイことやってるんだろうな」とわかってもらえるであろう今風のWeb技術の代表格であるGoogleマップだが、そのサポート対象ブラウザはIEだと6.0以上である。したがってMacOS9でIE5.Xを使っていた人はGoogleマップを使うにはFirefoxとか他のブラウザを使う必要があるのだが、このページに書いてあるようにFirefox0.8以上とかNetscape7.1以上とかをダウンロードして入れようにも、これらのブラウザもまた今現在ではMac OS X以降で動くバージョンしか開発/公開していない。つまり、MacOS9でGoogleマップをまともに使う手段はもはや存在しない。これホント。
  • つまり、重ねて言うが、モダンなブラウザ向けの方法論と技術を用いて作られたmixiのいまの画面に関する文句を言うべき相手はmixiではなくて実はアップルまたはマイクロソフトあるいはMozillaプロジェクトの中の人ではないかというのはあながち言い過ぎではない。

Windows Vistaで動かない?という件

J-CASTニュース : ミクシィデザイン変更で大混乱 ビスタもマックも使えない!(J-CASTニュース2007/10)という記事も出ているのだが、MacはともかくVistaが使えないとしたらもっともっと大騒ぎになっているはずだろガセでしょコレ。

と思っていたら案の定、記事の中では

作家の高橋暁子さんの知人にも、今回のリニューアルで不具合が起きている人が結構いるのだという。最新のOS「WindowsVista」が推奨環境に含まれておらず、また「MacOS9」など古いOSを使っている人の中にもお金を払って「mixi」を使うプレミアム会員がいることから、初めからこうしたOSでも使えるようにすべきだった、とJ-CASTニュースの取材に答えた。
「使えない」「動かない」ではなく「推奨環境に含まれていない」である。 Vistaについて触れている部分はたったこれだけ。これをもって「マックもビスタも使えない!」という記事タイトルにするのは明らかに取材不足であり釣りである。
以下、[mixi] ヘルプ - 推奨環境についてより。

mixi をご利用いただく上で、下記の環境を推奨しています。
[OS]
Windows 2000、Windows XP、Macintosh OS X 10.3以上
[ブラウザ]
Windows : Internet Explorer 6.X (7.Xは非推奨です)
Firefox
Macintosh : Safari
Firefox
※ ブラウザは最新バージョンをご利用ください(Internet Explorer 7.X及びベータ版を除く)。
なるほど確かにVistaが含まれてない。 では、archive.org上に残っている同じページの2007年7月のコピーを見てみよう。変わってないつまりヘルプ画面をメンテしてないだけの話である可能性が高い。 ちゃんちゃん♪

次に、mixiのリニューアルそのものよりも話題を呼んでいるらしい、 今回のmixiのリニューアルについて - 専門家に聞く [All About プロファイル]というコンテンツの件。

まともな意見もあるが、これが「専門家」なのか???というのもある。以下、いくつかの人物のコメントについて抜粋しながら。

CSSでのコーディングが中心になり、今後の機能追加でのデザイン追加等が容易になるなどのメリットが運営者側にはあったと思いますが、これではユーザー側のメリットがわかりづらいものがありますよね。
クロスウェーブ社 鈴木氏のコメント
短いがある程度的を得ていると思う。ちなみにクロスウェーブという会社どっかで聞いたなーと思ったら、楽天市場に出店した店舗のデザインの外注で有名な会社である。

ところでクロスウェーブ社の公式サイトを見たらページの下部にこんなものが。
200710-mixi-crosswave.png
2006年3月ごろのサイバーエージェント、Googleの逆鱗に触れてインデックスより削除事件のときとまったく同じ手法。なんだかなあ。

次。「東京アナグラム株式会社 寺田 あつし Webデザイナー」さんのコメントが一番痛々しい。

今回のmixiリニューアルですが、デザインのみならずCSSや文書構造の設計も話にならないほど悲惨な状況です。
何がどう悲惨なのかわからない。CSSの構造やid/class命名規則もそれほどおかしな点はない気がするが。
いずれにしても上場企業のする仕事とは思えません。 そもそもせっかくリニューアルといっているのに、いまだにphpではなくperlで動いているあたり。。。

こういう人に「mod_perlってなんですか?」とか「アマゾンのフロントエンドがperlで動いてることをどう思われますか?」という質問をしてみたい。 ちなみに米国amazonのエンジニア募集ページでは相変わらずMason(perlベースのテンプレートエンジン)が要求される資質のひとつとなっているなあそういえば。

どう考えても創業以来からの身内で開発をしているとしか思えません。技術や知識が古く、独自の思考をもった温室エンジニアたちが、権限ばかり与えられて新しく入ったデザイナーやコーダーと上手に連携できていない様子が目に浮かぶようです。

創業以来からの身内で開発って、その身内というのは実はとあるインドネシア人留学生(現在は日本に帰化)1人だけであり、お試しというか研究目的っぽく作り始めたサービスが年末ジャンボ宝くじなみに大当たりしたというのが実態である。mixi自体が相当大きくなってきた頃でも開発の主担当は実質彼だけだったはず。

で、その後は、インフラ設計までも1人で見れるわけもないので例えばapache関係で著名な小山氏(あれ?http://module.jp/つながらないぞ)を呼んでみたり、「検索」というかなりディープな命題についてはHyperEstraierという検索エンジンの開発者として著名な平林氏(2004年度第2回未踏ソフトウェア創造事業 天才プログラマー/スーパークリエータ認定)が入社したり、ともかく温室エンジニアと呼ぶにはあまりにも失礼なエッジな方々もいる。

上場企業なのですから、このリニューアルによる悪評を聞いた株主たちが黙っていません。僕がmixiの株を持っていたら即座に売るでしょう。

「リニューアル後のデザインどうよ?」という質問にはまるで無関係。そういう話の脱線をやってもいいのは飲み屋で飲んでるときか自分のブログになんか書いてるときだけである。

どこまでいっても「なぜ上場したのか・・・」という問題に尽きます。

総じて、Web屋として食っていてしかもallaboutで「専門家」を名乗っている人のコメントなのだろうか本当に、という問題に尽きる。そしてallaboutのいう専門家とはなんなのかという話も。

次。株式会社チームデルタ 代表取締役社長 谷口 浩一 氏。

人の目に触れるデザインに限定して考えれば、使い勝手を劣化させる要因は、あちこちで語られるほど多くはないと思います。 文書構造(CSSをはずして、ページタイトル、見出し、本文の上下関係、強弱関係)は、以前よりもよくなっています。 この恩恵は、主に音声ブラウザ利用者にもたらされるかもしれません。 モデルチェンジ直後に賛否両論、入り乱れるのはWebデザインの世界だけではないし、この議論は間もなく収束するんじゃないでしょうか。

これには筆者も同意見である。他の方のコメントと比較すると最もまともというか、うなづける。先述の寺田あつし氏の話とまるきり逆なあたりが笑える。ちなみに「それよりも、昨年、上場時に約2000億円も市場から調達したミクシィに...」のくだりは単なる数字の記憶違いor情報の拾い違いと思われるのでスルーしましょう。(たしか100億前後だった気がする)

次。UJI PUBLICITY 代表 アートディレクター ウジ トモコ 氏

WEBアプリケーションやSNS、WEBサイトのデザインリニューアルには、いくつかパターンがあると思います。
1.機能向上のための、仕様変更によるやむないデザインリニューアル
2.ユーザービリティ向上のための、デザインリニューアル
3.企業が自社ステイタスを上げたい、またはPR効果としてのデザインリニューアル
MIXIの今回の場合は、もちろん1.2も当然あったと思いますが、「うわさになりたい」「話題になりたい」も強かったのではないでしょうか。

コードを読み書きしない人にありがちな見た目だけの判断。

次。株式会社ライブログ CEO 元木 一朗 氏 ITコンサルタント

(以下、allabout上ではなく自身のブログのほうの記事から抜粋)
もう一つは、頑張って会員数を増やすというのがある。ミクシィが取った手段は後者。なので、サイトの一番目立つところにでかい「友人を招待する」ボタンがある(笑)。邪魔だっつうの。そもそも、友人を招待しようと思っている人は探してでもボタンを見つけてきてクリックするって。
WEB2.0(っていうんですか?)ITベンチャーの社長のブログ:mixiのインターフェイスがまた改悪された件

「一番目立つところにある友人を招待するボタン」というのが意味わからなかったので探してみた。 なるほどこれのことか。右上のログアウトボタンの下あたり。
200710-mixi-shotai.png
本来広告を置くスペースに自社サービスの販促広告(っぽいもの)を置いているだけのことではないだろうか。他のサイトでもよくあることである。とくに邪魔には感じない。

なお、「3.とにかく総合ポータルになりたい」のあたりはおおむね同意。

次。株式会社環 取締役 管理部長 小坂 淳 氏

手堅いコメントではあるが、 「今回のmixiのリニューアルについて」「どこがどう良くなったんでしょうか?」という最初の質問に対する回答にはなってないのでスルー。他の人がある程度書いた後からのコメントなので仕方ないといえば仕方ない。